クレスコは反落も中間配当の権利取りと連続最高業績の見直しがシンクロして押し目買い好望

株式市場 銘柄

 クレスコ<4674>(東1)は、前日20日に30円安の3180円と反落して引けた。同社株は、前日取引時間中につけた高値まで今年8月13日の年初来安値2530円から700円幅の底上げをしており、目先の利益確定売りが出た。ただ、下値には9月25日に迫った今2019年3月期の中間配当の権利付き最終売買日を前に、中間配当の権利取りが続いており、合わせて今期業績の連続最高業績予想を見直して割り負け修正期待も高めた。テクニカル的にも、短期線の5日移動平均線が下から上に中期線の25日移動平均線、75日移動平均線を次々に抜くゴールデン・クロスを示現したことから、上昇トレンドに拍車がかかるとの観測も広がっている。

■カーエレ、情報家電向けの組込み型ソフトが好調に推移し連続して過去最高を更新

 同社の今3月期通期業績は、売り上げ355億円(前期比6.5%増)、営業利益32億8000万円(同6.1%増)、経常利益35億8000万円(同2.5%増)、純利益24億1600万円(同9.7%増)と予想され、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。競争力・成長力強化の「第4次産業革命」や生産性向上・人材不足解消の「働き方改革」で企業のソフトウェア開発やシステム開発などIT投資が拡大する好事業環境下で、ソフトウェア開発事業では、人材・旅行・物流分野で顧客提案をさらに積極化し、組込み型ソフトウェア開発事業では自動車向けのカーエレトロニクス案件や、情報家電向けのデジタル開発案件などが引き続き成長することが要因となる。配当は、前期に創立30周年の記念配当10円を上乗せして年間72円(前々期実績55円)へ大幅増配し、今期は、記念配当が剥落して年間64円を予定しているが、普通配当では、前期の62円から連続増配となり、中間配当は32円(前年同期実績29円)を予定している。

 この立ち上がりの今3月期第1四半期(2018年4月~6月期、1Q)業績は、前年同期比5.9%増収、21.0%営業減益、0.8%経常増益、16.5%純益減益と増減マチマチで着地したが、メガバンク向けのソフトウェア開発の大型案件の一巡を組込み型ソフトウェア開発事業のカーエレクトロニクスの14.1%増、情報家電の16.3%増などでカバーし、同事業のセグメント利益は、前年同期比26.3%増の2億6600万円と好調に推移した。

■75日線クリアでGCを示現し年初来高値からの調整幅の半値戻しを早期達成へ

 株価は、今年8月7日に発表した今期1Q業績が増減マチマチで着地したことで3390円の戻り高値水準で利益確定売りが先行して下ぶれ、さらにトルコ・ショックによる全般相場の急落も重なって年初来安値2530円まで売られた。同安値からは、PER11倍台は売られ過ぎとして直ちに底上げ、急落時に開けた窓をほぼ埋めて700円高した。この底上げにより5日線は、25日線、75日線を次々に下から上に抜くゴールデン・クロス(GC)を示現し、その25日線が上昇転換、75日線も横ばいに変わるなど上昇トレンド転換を鮮明化しており、中間配当の権利取りも加わり、年初来高値4875円から同安値への調整幅の半値戻しの3600円台奪回が早そうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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