日本エンタープライズの第1四半期は20%以上の減収ながら、利益率改善で経常利益、最終利益共に2ケタ増益

■事業ポートフォリオ再構築を推進中

 日本エンタープライズ<4829>(東1)の第1四半期は、20%以上の減収ながら、利益率改善で経常利益、最終利益共に2ケタ増益となった。

 同社は、店頭アフィリエイトサービス事業や中国での携帯電話販売事業を譲渡し、事業ポートフォリオ再構築を推進している。そして今期19年5月期は大幅増益予想である。注目の第1四半期は前年同期比20%以上の減収でありながら、利益率が改善したことで、経常利益、最終利益共に2ケタ増益となった。

 第1四半期連結業績は、売上高7億75百万円(前年同期比20.4%減)、経常利益43百万円(同18.1%増)、純利益05百万円(同52.7%増)となった。

■営業利益率は4.1%と0.7ポイント改善

 今期通期連結業績予想は、売上高は横ばいながら大幅増益を見込んでいることから、利益率の改善を目指している。第1四半期の営業利益率は前年の3.4%から4.1%となり、0.7ポイント改善した。まだ、十分とは言えないが、その兆しは見えてきたといえる。

 同社は、コンシューマ向けスマートフォンアプリ、システム開発、デバッグ、業務効率化アプリ、モバイルキッティング、音声ソリューション、電子商取引(eコマース)などのサービス展開している。

■大口顧客を対象としたオークションサービス『いなオク』を開始

 クリエーション事業の「コンテンツサービス」では、キャリアプラットフォーム市場が縮小する中、定額制を中心に効率的な運用で収益確保を図るとともに、健康・リユー ス・余暇の充実への社会全体の意識の高まりを背景に、主力アプリであるヘルスケア、フリマ、交通情報、電子書 籍、ゲームの利用促進や新規コンテンツの開発等に努めた。また、「ビジネスサポートサービス」では、業務用スマートフォンアプリ、交通情報・教育・観光・調達などの各種クラウドサービス、音声ソリューションの他、ECサー ビス等自社開発のサービスを活用した受託開発が堅調に推移した。鮮魚eコマース『いなせり』は、豊洲市場への移転が延期される中、東京魚市場卸協同組合と連携し、物流の最適化、飲食事業者開拓に取り組むとともに、大口顧客を対象としたオークションサービス『いなオク』を開始した。その他、キッティングサービスは、支援ツール『Certino(セルティノ)』を中心に、顧客ニーズに応える新たな支援ツールを開発してきた。その結果、クリエーション事業の売上高は4億73百万円、セグメント利益1億45百万円となった。

■キッティングサービスを核に、中古端末(スマートフォン等)の買取サービスの開始に向けた準備を進める

 ソリューション事業では、活発なIT投資による市場拡大の状況下、スクラッチ開発を中心としたアプリ開発、WEB構築、サーバ構築、システム運用・監視、デバッグ、ユーザーサポートなどクリエーション事業で培ったノウハウを活かした受託開発が引続き好調に推移した。また、新たなサービスとして、現在、今後拡大が見込まれる端末周辺事業の創出に注力しており、クリエーション事業で注力しているキッティングサービスを核に、中古端末(スマートフォン等)の買取サービスの開始に向けた準備を進めてきた。その結果、ソリューション事業の売上高は3億1百万円、セグメント利益は28百万円となった。

 第1四半期は、事業ポートフォリオ再構築中であることから、売上高は減収となったものの、利益率は改善していることから堅調に推移しているものと思われる。

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