寿スピリッツは調整一巡して出直り期待、19年3月期2Q累計6.6%増収と順調

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 寿スピリッツ<2222>(東1)は「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げ、首都圏エリア展開強化や商品プレミアム化などの重点施策を加速している。10月11日発表した19年3月期第2四半期累計売上高は6.6%増収と順調だった。通期は増収2桁営業増益予想である。好業績を期待したい。株価は戻りの鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお11月1日に第2四半期決算発表を予定している。

■「お菓子の総合プロデューサー」として地域限定ブランド菓子を展開

 地域限定ブランド菓子の製造・販売を主力とする持株会社である。全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドを創造する「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げている。さらにWSR(ワールド サプライジング リゾート)宣言を経営スローガンに掲げ、中期経営目標を売上高経常利益率20%としている。

 主要子会社(セグメント)はケイシイシイ、寿製菓・但馬寿、シュクレイ、九十九島グループ、販売子会社(東海3社、中国・九州4社、関西2社)である。シュクレイはフランセを17年4月吸収合併して生産直販型会社に移行した。

 18年3月期の販売チャンネル別売上構成比は、通信販売6.8%(うちルタオ通販5.4%)、店舗販売(直営店舗、催事)44.2%、卸売(駅・空港・高速道路SAなどの小売店、代理店卸、OEM)45.8%、海外3.1%、その他0.1%である。駅・空港・高速道路SAなど交通機関チャネルでの土産品としての販売比率が高いことも特徴である。またクリスマス・年末年始・バレンタイン・ホワイトデー商戦などで下期の構成比が高くなる季節特性がある。

■首都圏WSR化展開など重点施策が大幅伸長

 重点施策として、プレミアム・スイーツブランドの創出と育成(地域・チャンネル特性にマッチした商品開発推進、主力商品リニューアルによるバージョンアップと価格改定、販路開拓やリアル店舗と通販の融合、新業態店の拡大)、インバウンド対策の強化(国内主要国際空港における免税売店等への販売強化、直営店舗での免税対応強化)、首都圏でのWSR化展開(シュクレイの多ブランド展開推進や販路拡大、グループ各社による期間限定店舗展開の推進など)、海外展開、生産性向上による製造採算改善などを推進している。

 重点施策の18年3月期売上高は、国内主要国際空港でのインバウンドが17年3月期比77.2%増の34億72百万円、海外(台湾現地法人売上高+韓国・香港向けロイヤルティ含む国内出荷売上高)が48.6%増の11億56百万円、シュクレイ(首都圏WSR化)が24.5%増の115億47百万円と大幅伸長している。

 なお18年6月には、栃の実に含まれているポリフェノールの光障害に対する網膜保護作用について、国際学術誌Nutrients 10巻(2018年)に掲載予定とリリースしている。この研究成果を基盤として、新たなアイケア素材の開発を推進する計画だ。

 18年8月にはケイシイシイが中国におけるライセンスパートナーと共同で、中国本土1号店となる小樽洋菓子舗LeTAO(ルタオ)上海新天地店をオープンした。18年9月にはシュクレイが日本初のブラウニー専門店「コートクール」で百貨店初出店となる松屋銀座店をオープンした。10月26日には九十九島グループが那覇にフレンチトースト専門店「Ivorish」6店舗目をオープン予定である。沖縄初出店となる。また「Ivorish」初のフランチャイズ形式による出店となる。

■19年3月期増収2桁営業増益予想

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.6%増の406億円、営業利益が15.7%増の58億円、経常利益が15.9%増の58億50百万円、純利益が8.1%増の38億20百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間35円(期末一括)で、予想配当性向は28.5%となる。

 10月11日発表した第2四半期累計の売上状況(概算)によると、第2四半期累計は前年同期比6.6%増の183億57百万円(第1四半期が前年同期比8.6%増の86億01百万円、第2四半期が4.0%増の97億56百万円)だった。第2四半期にケイシイシイが台風および地震の影響を受けたが、シュクレイの好調が牽引して全体では6.6%増収と順調だった。

 セグメント別(連結調整前)には、ケイシイシイが第2四半期に台風および地震の影響を受けて1.3%減の50億31百万円、シュクレイが直営店・催事・卸売における好調推移で19.1%増の59億88百万円、寿製菓・但馬寿が生産移管に伴うグループ向け売上の減少で3.5%減の51億31百万円、販売子会社が2.4%増の28億25百万円、九十九島グループが大手テーマパーク向けOEM取引中止などで5.2%減の15億64百万円、その他が36.2%減の1億12百万円だった。

 通期ベースでもシュクレイの収益拡大が牽引して2桁営業増益予想である。重点施策の遂行と現場力の向上などで過去最高益の連続更新を目指すとしている。なおグループ全体の製造キャパシティ拡大に向けて、寿製菓・但馬寿のグループ向け製造売上の一部を他のグループ製造拠点に移管する。

 重点施策の売上計画はインバウンドが26.7%増の44億円、海外が12.5%増の13億円、シュクレイが16.0%増の134億円としている。セグメント別の売上計画はケイシイシイが5.6%増収、シュクレイが16.0%増収、寿製菓・但馬寿が横ばい、販売子会社が4.6%増収、九十九島グループが10.0%増収、その他が2.9%減収としている。売上総利益率は0・9ポイント上昇の57.8%、販管費比率は横ばいの43.5%の計画である。

 第2四半期累計売上高の進捗率は45.2%と低水準の形だが、クリスマス・年末年始・バレンタイン・ホワイトデー商戦などで下期の構成比が高い季節特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末現在の100株以上~500株未満所有株主に対して2000円相当の自社グループ製品、500株以上~1000株未満所有株主に対して4000円相当の自社グループ製品、1000株以上所有株主に対して4000円相当のグループ製品+3000円相当の直営店舗利用優待券(代替商品送付可)を贈呈する。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は9月28日の5430円から反落し、10月11日には地合い悪化も影響して4425円まで下押す場面があった。戻りの鈍い展開だ。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 10月11日の終値は4595円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS122円75銭で算出)は約37倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は約0.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS497円16銭で算出)は約9.2倍、時価総額は約1430億円である。調整一巡して出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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