ヒーハイスト精工は下値固め完了感、19年3月期利益横ばい予想だがやや保守的

 ヒーハイスト精工<6433>(JQ)は直動機器を主力としている。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。19年3月期は利益横ばい予想だがやや保守的だろう。株価は下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー

 球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、直動機器(リニアボールブッシュや球面軸受けなど)、精密部品加工(レース用部品や試作部品の受託加工など)、ユニット製品(液晶製造装置向けなど)を展開している。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。

 主力のリニアボールブッシュは、機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。

 18年3月期の製品別売上構成比は直動機器62%、精密部品加工28%、ユニット製品10%である。主要販売先はTHK<6481>および本田技研工業<7267>である。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。

 収益力向上および経営基盤強化に向けた重点方針として、生産能力向上とコストダウンによる採算性向上、QCDの徹底追求による顧客対応力の強化、顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売、主力製品リニアボールブッシュの競争力強化による拡販、提案型技術営業による新規顧客開拓、海外販売網の構築・強化、従業員の上昇志向と能力の向上を掲げている。

■19年3月期利益横ばい予想だがやや保守的

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比5.0%増の27億56百万円、営業利益が3.7%増の2億33百万円、経常利益が1.0%増の2億37百万円、純利益が3.9%減の1億59百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間4円(期末一括)で予想配当性向は15.6%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比3.7%増の7億73百万円だが、営業利益が41.0%減の86百万円、経常利益が41.9%減の84百万円、そして純利益が45.1%減の55百万円だった。売上原価率が上昇して減益だった。

 製品別売上は、主力の直動機器が産業用機械向け拡販などで35.2%増収と好調だったが、精密部品加工がレース用部品でのスケジュール調整の影響で11.4%減収、ユニット製品が中国の液晶メーカーにおける需要調整の影響で54.5%減収だった。

 第1四半期は減益だったが、通期予想に対する進捗率は売上高28.0%、営業利益36.9%と順調である。通期は利益横ばい予想としているがやや保守的だろう。高水準の設備投資需要を背景として主力の直動機器中心に需要拡大が期待される。

■株価は下値固め完了感

 株価は地合い悪化も影響して安値圏の400円近辺まで下押したが、7月の年初来安値358円を割り込むことなく推移して下値固め完了感を強めている。10月18日の終値は406円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円70銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は約1.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS523円09銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約26億円である。出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…
  2. ■「売られ過ぎシグナル」を発信の自己株式取得株は浮上余地をアピール  マーケットの現在の投資家心理…
  3. ■銀行株投資の選択肢  多くの銀行株の中から投資対象を選ぶ際には、PBR1倍割れやPER1ケタ台、…
  4. ■銀行と半導体、どちらが市場をリードする?  今週は、週明けから「タカさんチーム」の出番が続きそう…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る