ラ・アトレは調整一巡して出直り期待、18年12月期大幅増益・連続増配予想

日インタビュ新聞ロゴ

 ラ・アトレ<8885>(JQ)は、新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、周辺ビジネスや海外展開も強化している。18年12月期大幅増益・連続増配予想である。株価は地合い悪化の影響を受けたが、調整一巡して出直りを期待したい。

■新築不動産販売、再生不動産販売が主力

 新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、不動産事業を展開している。

 17年12月期のセグメント別売上高構成比は、不動産販売事業93%(新築不動産販売58%、再生不動産販売35%)、不動産管理事業7%、営業利益構成比は不動産販売事業76%(新築不動産販売43%、再生不動産販売33%)、不動産管理事業24%だった。四半期業績は物件引き渡しによって変動しやすい特性がある。
■中期成長に向けて周辺ビジネスや海外展開への取り組みを強化

 中期成長に向けて、首都圏における戸別リノベーションマンションの仕入・販売の強化、綿密なマーケティングに基づく新築マンションの販売、高齢者住宅施設・宿泊施設・商業施設など収益不動産開発・取得による保有資産ポートフォリオ充実、福岡や京都など地方中核都市への展開、新規事業・M&Aによる不動産周辺ビジネス・海外展開への取り組みを強化している。

 不動産管理事業ではストック型ビジネスとなる管理・賃料収入の拡大を推進する。インバウンド需要も含めた多言語対応・長期滞在型のLAホテル京都を17年2月、LAホテル福岡を18年6月オープンした。LAホテル京都2、LAホテル札幌にも着手している。18年5月にはSatisfill社とホテル開発における業務協力覚書を締結し、LAホテル福岡の運営を委託した。

 多方面の専門的パートナーとの協業を推進し、新規事業・M&Aを含めた不動産周辺ビジネスへの取り組みも強化している。17年1月合弁会社ラ・アトレペイメントを設立して家賃保証事業に参入、17年6月独立系投資銀行ストームハーバー証券と業務協力覚書を締結、18年3月アクロディア<3823>およびファイバーゲート<9450>とIoTを活用した不動産開発に関する業務協力覚書を締結した。

 海外では、カンボジアの子会社がプノンペンで、日系上場企業として初となる高級コンドミニアム開発プロジェクトを推進している。20年12月期に竣工・引き渡し予定である。

 中期経経営計画では、目標数値に20年12月期の売上高147億10百万円、営業利益14億96百万円、経常利益12億20百万円、純利益8億51百万円を掲げている。配当方針の基本方針は18年12月期から、親会社株主帰属当期純利益をベースとした配当性向「10%以上20%目標」としている。また東証本則市場へのステージアップを目指す。

■18年12月期大幅増益・連続増配予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比31.5%増の108億76百万円、営業利益が22.0%増の10億36百万円、経常利益が30.6%増の8億円、純利益が21.3%増の5億46百万円としている。配当予想は6円増配の年間12円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は11.5%となる。

 新築では都心型店舗開発「AG神宮前」や分譲マンション「ラ・アトレレジデンス下総中山」を計画し、再生では1戸1億円超のプレミアム・リノベーション「パークコート赤坂ザ・タワー」「ホーマットコンコード」「ザ・ハウス南麻布」や都心1棟リノベーション分譲マンション「ラ・アトレ御苑内藤町」を計画している。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比68.2%増の40億23百万円で、営業利益が2.9倍の7億21百万円、経常利益が4.5倍の6億06百万円、純利益が3.3倍の4億16百万円だった。新築分譲マンション「ラ・アトレレジデンス下総中山」を17戸引き渡し、都心型店舗開発「AG神宮前」の売却が計画より早期に完了したことも寄与して、計画超の大幅増収増益だった。通期ベースでも好業績を期待したい。

■株主優待制度は年2回、6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は年2回、毎年6月末と12月末を基準日として実施している。1単元(100株)以上~5単元未満保有株主に対してクオカード500円分、5単元以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は戻り高値圏800円近辺から反落し、地合い悪化も影響して10月11日に700円まで下押したが、その後は切り返しの動きを強めている。10月18日の終値は729円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS103円96銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS498円82銭で算出)は約1.5倍、時価総額は約38億円である。調整一巡して出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る