【どう見るこの相場】「三日の晴れなし」の季節外れの秋空相場では下値抵抗力に定評の割安オーナー企業もセレクト余地

日本インタビュ新聞社

 マーケットは、秋晴れのはずが「春に三日の晴れなし」と季節外れの荒れ模様が続いてる。無理もない。市場の上空を低気圧が覆っているからだ。米国の長期金利上昇、米国財務長官の円安牽制発言、中国の景気減速懸念、サウジアラビアの反体制記者殺害疑惑、英国のEU(欧州連合)離脱交渉の難航などと、低気圧ばかりが次々と急速に通過している。

 さらに市場センチメントを神経質にさせているのが、日米両市場での主力銘柄の波乱展開だ。米国市場では、長期金利の上昇で割高としてハイテク株のフェイスブック、アップルなどのいわゆる「FANG」が売られ、東京市場では、日経平均株価への寄与度の高いファナック<6954>(東1)、ファーストリテイリング<9983>(東1)、ソフトバンクグループ<9984>(東1)などの超値がさ株が、先物売買主導で半端でない値動きしている。その上昇、下落がリスクオン、リスクオフの振幅を激しくしている。

 この日米両市場の主力銘柄には、共通項がある。オーナー企業であることだ。創業者のサクセス・ストーリーが、カリスマ性を高めてグローバルな影響力をいっそう強め、その消長が、マーケットの先行きを左右するほどプレゼンスを確固としてきた。東京市場でも、もともと創業家のDNAを堅守するトヨタ自動車<7203>(東1)に代表されるように、オーナー企業の不況耐性、下値抵抗力には一目も二目を置かれてきた。

 そこで「三日の晴れなし」の秋空相場では、主力銘柄以外のオーナー企業に注目したい。もちろんこのオーナー企業は、東京市場では何らかの形で上場会社の過半を占めるとの調査結果もあるから、石を投げれば大小を問わずオーナー企業に当たることにもなる。またオーナー企業のなかには、経営統合の是非で創業家と経営陣が対立した出光興産<5019>(東1)や経営方針を巡って骨肉の争いを演じた大塚家具<8186>(JQS)などの「お家騒動」に揺れ、融資書類を改ざんしたスルガ銀行<8358>(東1)のように不祥事につながったケースなど多々あるから、投げた石が当たった銘柄どれもというわけにいかずスクリーニングが不可欠である。スクリーニングの条件としては、PER評価など投資採算が市場平均を下回る割安な銘柄としたい。さらに新興市場株に目を転じると、新規株式公開(IPO)時から間を置かず東証第1部・2部の本則市場への市場変更を準備する銘柄にも上昇志向のオーナー企業が多く、これもスクリーニング対象銘柄に浮上する。

■低PERの日経225採用銘柄や年初来安値水準の小型株もクローズアップ

 割安オーナー企業でまず注目は、日経平均株価採用の低PER株である。コード番号順にあげると大和ハウス工業<1925>(東1)、楽天<4755>(東1)、ブリヂストン<5108>(東1)、スズキ<7269>(東1)、キヤノン<7751>(東1)である。PER評価は、大和ハウスのPER9倍台からキヤノンの13倍台まで幅があるが、いずれも市場平均を下回って割安である。スズキは、2度にわたる検査データ不正事件の公表で、今3月期第1四半期の好決算を評価してつけた年初来高値から2000円安した。証券各社は、目標株価は引き下げたものの、投資判断は「強気」を継続しており、鈴木創業家のDNA発揮でどう乗り切るか、11月1日に開示予定の今期第2四半期累計決算の動向が注目される。

 これと対照的な小型株では、コード番号順にゲオホールディングス<2681>(東1)、ガンホー・オンライン・エンターテインメント<3765>(東1)、日本ファルコム<3723>(東マ)、エイチーム<3662>(東1)、情報企画<3712>(東2)、日本エス・エイチ・エル<4327>(JQS)、扶桑化学工業<4368>(東1)、沢井製薬<4555>(東1)、アビスト<6087>(東1)、マーベラス<7844>(東1)、コーナン商事<7516>(東1)、ケーズホールディングス<8282>(東1)に注目したい。株価ポジションは、沢井製薬、コーナン商事が年初来高値水準、ガンホー、情報企画、日本エス・エイチ・エル、扶桑化学、アビストが年初来安値水準と真逆だが、PER評価はいずれも市場平均を下回って割安である。

■新興市場の市場変更申請・立会外分売実施銘柄から「第2のRPA」を発掘

 新興市場でのオーナー企業で注目されるトップバッターは、RPAホールディングス<6572>(東マ)である。同社株は、今年3月27日にIPOされたばかりだが、今年10月15日に今2月期業績の上方修正と株式分割(1株を5株に分割、基準日11月30日)、さらに東証第1部への市場変更の申請を発表、ストップ高した。前週末19日は高値圏でスピード調整となったが、今後の株式分割の権利取りと、東証1部上場に伴う東証株価指数組み入れによる需給好転思惑、国内証券の最上位投資判断などから、上場来高値抜けからの一段の上値チャレンジが期待十分である。

 RPAを追撃する「第2のRPA」候補株も、数多い。今年2月28日にIPOしたジェイテックコーポレーション<3446>(東1)、3月23日IPOのファイバーゲート<9450>(東マ)は、それぞれ東証第1部の形式基準を充足するため立会外分売を実施し今年4月27日にIPOしたエヌリンクス<6578>(JQS)は、10月12日に立会外分売を発表し東証第2部への市場変更の準備作業を開始した。

 このほか新興市場株銘柄では、昨年10月、12月にそれぞれIPOされたMS&Consulting<6555>(東マ)、グローバル・リンク・マネジメント<3486>(東マ)は、揃って今年9月に東証第1部への市場変更を申請し、東証第1部の形式基準充足のためにグリムス<3150>(JQS)、テラスカイ<3915>(東マ)、ショーエイコーポレーション<9385>(東2)が、立会外分売を実施した。それぞれ独自のビジネスモデルを展開しているだけに再評価機運も高まろう。

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