ラクオリア創薬は調整一巡感、疼痛と消化器管を主領域とする創薬ベンチャー

株式市場 銘柄

 ラクオリア創薬<4579>(JQ)は疼痛と消化管疾患を主領域とする創薬ベンチャーである。19年12月期黒字化を目指している。株価は年初来安値圏だが調整一巡感を強めている。反発を期待したい。

■疼痛と消化管を主領域とする創薬ベンチャー

 ファイザー日本法人の中央研究所を前身として、新規開発化合物の創出を目指す創薬ベンチャーである。炎症および神経性の疼痛と、胃食道逆流症や過敏性腸症候群を代表とする消化器疾患を主な領域として、適応症の追加などで研究開発対象領域の拡大も進めている。

 新規開発化合物の知的財産権を製薬会社に導出(使用許諾契約によるライセンスアウト)する収益モデルで、上市済み製品には、カンジダ症を適応症とするキャンディン系抗真菌薬のアニデュラファンギン(米国製品名Eraxis)、MRSA感染症を適応症とするグリコペプチド系抗MRSA抗菌薬のダルババンシン(米国製品名Dalvance)がある。

 パイプラインは消化器疾患領域で、胃食道逆流症を適応症とするカリウムイオン競合型アシッドブロッカーP-CAB(化合物コードRQ-00000004)が米国と日本でフェーズ1終了、中国でフェーズ1実施中、胃不全麻痺・機能性胃腸症・慢性便秘を適応症とするセロトニン受容体5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)が英国でフェーズ1終了、米国で医師主導治験実施中、下痢型過敏性腸症候群を適応症とするセロトニン受容体5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)が英国でフェーズ1終了、胃不全麻痺・機能性胃腸症・術後イレウスを適応症とするモチリン受容体作動薬(RQ-00201894)が前臨床終了、癌に伴う食欲不振および悪液質症候群を適応症とするグレリン受容体作動薬(RQ-00433412)が前臨床検討中、疼痛領域で神経障害性疼痛(化学療法起因性冷アロディニア)を適応症とするTRPM8遮断薬(RQ-00434739)が前臨床である。

 子会社化テムリックは、癌領域に特化した創薬事業を展開している。パイプラインは、再発または難治性の急性前骨髄球性白血病(APL)を主適応症とするレチノイン酸受容体作動薬TM-411(一般名タミバロテン)である。

 18年3月には旭化成ファーマと、新規神経障害性疼痛治療薬候補のP2X7受容体拮抗薬に関するライセンス契約締結を発表した。今後は旭化成ファーマがRQ-00466479を有効成分とする新規治療薬の開発を前臨床試験から開始する。18年10月には中国ZTEとの合弁会社設立契約の中止を発表した。

 なお11月5日には、選択的ナトリウムチャネル遮断薬(アミド誘導体)が欧州で特許査定の連絡を受けたと発表している。

■19年12月期黒字化目指す

 18年12月期は赤字が拡大する見込みだが、中期経営計画では19年12月期に黒字化(売上高19億61百万円、営業利益1億82百万円、経常利益2億06百万円、純利益1億34百万円)を目指している。

■株価は調整一巡感

 株価は10月26日に年初来安値となる997円まで下押す場面があったが、概ね1000円近辺で推移して調整一巡感を強めている。11月20日の終値は1100円、時価総額は約224億円である。反発を期待したい。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る