エイジアは調整一巡して反発期待、19年3月期2桁増収増益・増配予想

 エイジア<2352>(東1)はメール配信システムの大手である。中期成長に向けてAI(人工知能)を活用した新サービスを強化している。19年3月期2桁増収増益・増配予想である。株価は地合い悪化の影響で安値圏だが、調整一巡して反発を期待したい。

■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力

 自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズを提供するアプリケーション事業を主力として、システム受託開発なども展開している。18年3月期セグメント別売上高構成比はアプリケーション事業81%、コンサルティング事業18%、オーダーメイド開発事業1%である。

 メール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。多様な業界の企業や官公庁に導入され、国内メール配信パッケージ市場でシェア1位である。

 WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心として、メール共有システム「WEBCAS mailcenter」などをラインナップに抱えるe-CRMアプリケーションシリーズである。17年9月にはWEBCASシリーズ導入企業が4000社を突破している。

 新製品・サービスとして、マーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」や、人工知能アルゴリズムを駆使した感性分析型テキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」も発売している。

 18年1月マレーシアのData Cohorts社と戦略的パートナーシップ協定を締結、18年3月パーソナル人工知能「SENSY」を開発する慶応大学発AIベンチャーのSENSY社と業務提携、18年5月モバイルソリューション製品開発・販売のAOSモバイルと業務提携、18年7月乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所と業務提携した。18年8月ベビー服ECサイト「べびちゅ」運営の子会社ままちゅを設立し、18年9月ハモンズからベビー服ECサイト運営事業を譲り受けた。

 12月4日には、Webアンケートシステム「WEBCAS formulator」と、GMOリサーチのインターネットリサーチ用パネル「Japan Cloud Panel」を連携させたインターネットリサーチサービスを開始すると発表した。

■20年3月期営業利益5億02百万円目標

 中期経営計画ではビジョンに「クロスチャネル対応マーケティングプラットフォーム構築」を掲げ、人工知能を活用したマーケティング革新に取り組んでいる。目標値には20年3月期売上高18億70百万円、営業利益5億02百万円、経常利益5億05百万円、純利益3億25百万円を掲げている。

 収益面ではシステム開発関連のため下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。利益配分については、意識する配当性向を17年3月期から30%前後に引き上げている。

■19年3月期2桁増収増益・増配予想

 19年3月期連結業績予想(子会社新設に伴って10月31日に売上高を90百万円上方修正)は、売上高が18年3月期比17.5%増の17億90百万円、営業利益が20.6%増の4億20百万円、経常利益が16.0%増の4億20百万円、純利益が16.4%増の2億75百万円としている。配当予想は2円増配の年間20円(期末一括)で予想配当性向は29.6%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比8.7%増の7億80百万円で、営業利益が2.0%増の1億53百万円、経常利益が2.7%減の1億52百万円、純利益が1.1%増の98百万円だった。クラウドサービスが牽引し、営業利益は第2四半期累計として過去最高だった。

 営業体制再編などの施策が奏功して、アプリケーション事業(4.5%増収)におけるクラウドサービス(8.0%増収)が第2四半期から2桁成長に復調した。コンサルティング事業(19.8%増収)では、子会社FUCAのWeb制作案件が増加した。

 第2四半期累計の進捗率は売上高43.6%、営業利益36.4%と低水準の形だが、通期ではクラウドサービスの大幅伸長を見込み、2桁増収増益予想である。好業績を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象としてクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価は反発力が鈍く、地合い悪化も影響して安値圏だが、調整一巡して反発を期待したい。12月10日の終値は1237円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS68円11銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約11.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS366円08銭で算出)は約3.4倍、時価総額は約55億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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