トレジャー・ファクトリーは戻り試す、19年2月期大幅増益予想で上振れ余地

 トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。19年2月期大幅増益予想である。11月の既存店売上は3ヶ月連続の前年比プラスと順調だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■リユースショップを首都圏中心に展開

 総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。

 18年10月10日時点の店舗数は、16年9月子会社化したカインドオル、18年3月子会社化したゴルフキッズを含めてグループ合計183店舗(トレジャー・ファクトリー63店舗、トレファクスタイル49店舗など単体122店舗、カインドオル40店舗、ゴルフキッズ21店舗)である。

 18年11月には、千葉県千葉市の幕張エリアに、新たな旗艦店として初の複合店(総合業態トレジャー・ファクトリーにスポーツ・アウトドア業態トレファクスポーツを併設)をオープンした。

 中期成長に向けた戦略として、既存店強化と新規出店(複数業態を組み合わせて国内主要都市への出店加速)、M&Aの活用、海外事業(17年11月にタイ・バンコク2号店オープン)、新規事業への投資を推進する。

■19年2月期大幅増益予想で上振れ余地

 19年2月期連結業績予想は、売上高が18年2月期比8.3%増の177億99百万円、営業利益が31.6%増の8億18百万円、経常利益が25.7%増の8億41百万円、純利益が60.2%増の5億54百万円としている。配当予想は18年2月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は32.6%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比7.7%増の83億07百万円、営業利益が54.6%増の2億43百万円、経常利益が38.7%増の2億61百万円、純利益が36.8%増の1億64百万円だった。新規出店は9店舗だった。既存店(単体)の売上は99.2%だったが、売上総利益率が0.6ポイント上昇し、販管費のコントロール、子会社カインドオルの収益改善なども寄与して計画超の大幅増益だった。

 通期ベースでは、12店舗前後の新規出店、既存店売上100%、既存店売上総利益率0.5ポイント改善、子会社カインドオルおよびゴルフキッズの収益改善を見込み、海外事業も黒字化を目指している。

 月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、18年11月は全店107.3%、既存店102.3%だった。既存店売上は3ヶ月連続の前年比プラスだった。生活家電、服飾雑貨が好調だった。11月の新規出店は2店舗、退店は0店舗で、11月末時点の店舗数は122店舗となった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高46.7%、営業利益29.7%と低水準の形だが、第2四半期の構成比が小さい季節特性のためネガティブ要因とならない。第2四半期累計が計画超の大幅増益となり、下期の既存店売上が順調なことも考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。好業績を期待したい。

■株主優待制度は2月末の株主対象

 株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象に実施している。

■株価は戻り試す

 株価は10月の直近安値651円から徐々に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。12月10日の終値は737円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円76銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS348円09銭で算出)は約2.1倍、時価総額は約85億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る