立花エレテックは売られ過ぎ感、19年3月期利益横ばい予想だが上振れ余地

 立花エレテック<8159>(東1)は産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。19年3月期は利益横ばい予想だが、第2四半期累計が2桁増益と順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。配当は増配予想である。株価は地合い悪も影響して年初来安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。

■産業用機器・電子部品を扱う技術商社

 産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。仕入先は三菱電機<6503>および三菱電機グループが合計で約7割を占め、外資系半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス<6723>が続いている。M&Aも積極活用して国内外で業容を拡大している。海外は子会社8社合計14拠点で、中国および東南アジアに展開している。
 18年3月期のセグメント別売上高構成比は、FAシステム事業58%(FA機器38%、FAシステムソリューション9%、産業メカトロニクス4%、産業デバイスコンポーネント7%)、半導体デバイス事業(半導体、電子デバイス)31%、施設事業(空調機器、LED照明、太陽光発電システム、昇降機)8%、その他(MS事業・他)2%だった。MS(マニュファクチャリング・サービス)事業は、金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合した事業である。海外事業売上比率は14%だった。

 収益面では全体として企業の設備投資動向が影響し、第2四半期および第4四半期の構成比が高くなる季節特性もある。

■21年3月期営業利益75億円目標

 技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進している。

 6ヶ年中長期経営計画「C.C.J2200」では、2021年の創立100周年を見据えて、確固たる基盤を持った電機・電子の一大技術商社を目指し、目標数値に21年3月期連結売上高2200億円(単体1400億円、国内子会社460億円、海外子会社440億円、消去100億円)、連結営業利益75億円を掲げている。

■19年3月期利益横ばい予想だが上振れ余地

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比2.1%増の1820億円、営業利益が0.9%増の64億50百万円、経常利益が1.4%増の67億円、純利益が1.3%増の46億円としている。配当予想は6円増配の46円(第2四半期末24円、期末22円)で、予想配当性向は25.2%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比8.8%増の902億24百万円、営業利益が18.2%増の32億27百万円、経常利益が22.8%増の35億77百万円、純利益が21.3%増の24億27百万円だった。全セグメントとも好調に推移して2桁増益となり、第2四半期累計の過去最高益を更新した。

 主力のFAシステム事業は10.0%増収で16.6%増益だった。半導体・液晶製造装置関連、自動車関連の設備投資需要を背景として、FA機器分野のプログラマブルコントローラーや産業機器分野の自動化設備などが伸長した。半導体デバイス事業は5.9%増収で15.5%増益だった。空調関連、産業関連、車載関連向けにパワーモジュールやマイコンなどが好調だった。施設事業は13.6%増収で2.1倍増益だった。猛暑の影響でエアコンが好調に推移し、昇降機の大型案件も寄与した。その他は2.1%増収で営業赤字が縮小した。

 通期は利益横ばい予想だが、需要は高水準推移が予想される。第2四半期累計が2桁増益と順調だったことを考慮すれば、会社予想はやや保守的だろう。上振れ余地がありそうだ。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年3月31日現在の100株(1単元)以上保有株主を対象として、継続保有期間および保有株式数に応じてクオカードを贈呈する。18年3月期末から導入した。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は12月11日に1551円まで下押した。地合い悪も影響して年初来安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。12月18日の終値は1602円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS182円26銭で算出)は約倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2585円82銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約417億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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