【新規上場(IPO)銘柄】田中建設工業は18日に上場、再開発プロジェクトを強化

株式市場 IPO 鐘

 田中建設工業<1450>(JQ)は、12月18日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場した。同社は、1982年2月に創業者田中俊昭(現名誉相談役)により設立。以降36年、新橋を拠点に「解体並びに関連する環境ビジネス」を通じ「人にやさしい環境づくり」という究極のテーマに向け、解体事業、関連業務(土壌地下浄化)、関連業務(土木工事)、関連業務(リサイクル)を行っている。
 同社は、永年解体工事業者、環境ビジネスに従事する者として培ってきた経験と信頼のもと、工事のさらなる「見える化」に注力し、顧客の安全・安心のニーズに応えると共に、コンプライアンス重視の経営を推し進めているほか、今後拡大が見込める「建替え・再開発」等の都市再生ビジネスの推進者、解体スペシャリストとしてのコンサルタントとして、プロジェクトへの関与を積極的に行い、エコ社会の実現と社業の発展を通じて社会に貢献している。

 同社は、今後のさらなる業容拡大・次ステージへのステップアップを図るため、第36期に中期計画「TANAKEN2020」を策定しスタート。特に営業面では従来の主要顧客であるデベロッパー・ゼネコン・一般顧客からの受注拡大に加え、新たに再開発プロジェクト・官庁工事受注への取り組み強化を図っている

 今2019年3月期第2四半期業績実績は、売上高36億2200万円、営業利益5億3300万円、経常利益5億6800万円、純利益3億6100万円に着地。売上高、利益共に計画を上回り順調に推移している。

 今19年3月期業績予想は、売上高65億円(前期比17.3%減)、営業利益7億3000万円(同42.0%減)、経常利益7億円(同45.0%減)、純利益4億5700万円(同45.1%減)を見込む。年間配当予想は、期末一括70円(同2,536円)を予定している。※18年8月29日付で普通株式1株につき20株の株式分割を行っている。

 株価は、上場初日18日に公開価格2400円を7.1%上回る2570円で初値をつけ、同19日高値は2872円と買われた後、下値を切り上げ、同21日高値2873円と買われる場面も見られている。戦後70年が経ち高度経済成長時代の建造物が更新期を迎えたことや、東日本大震災後の耐震化ニーズの高まりを背景に、今後解体需要が更に増加する見通しのほか、新たに再開発プロジェクト・官庁工事受注に向けて取り組んでいることが注目される。今期予想PER12倍台と割高感はなく、配当利回り2.6%と利回り妙味もソコソコある。需給面の良好なIPOとして底堅い動きから、上値を試すか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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