ファーストコーポレーションは減益予想も20年5月期の収益改善に期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ファーストコーポレーション<1430>(東1)は、分譲マンション建設に特化したゼネコンで、造注方式を特徴としている。12月27日に19年5月期第2四半期累計および通期予想を下方修正して減益予想となった。20年5月期の収益改善を期待したい。なお1月10日に第2四半期決算発表を予定している。

■分譲マンション建設に特化したゼネコン、造注方式が特徴

 東京圏(1都3県)を中心に、分譲マンション建設に特化したゼネコンである。造注方式による大手マンション・デベロッパーからの特命受注と高利益率、品質へのこだわりによる安心・安全なマンション供給を特徴としている。

 造注方式というのは、当社がマンション用地を開発し、マンション・デベロッパーに対して土地・建物を一体とする事業プランを提案し、マンション・デベロッパーから特命で建築を請け負うという受注方式である。当社がマンション・デベロッパーを選定して条件を交渉するため入札方式に比べて好条件での請負が可能となる。分譲マンション建設のスペシャリストとして、造注方式を核としたアグレッシブな事業展開がスピード成長を可能にしている。

 品質に関しては「安全と品質の最優先」を掲げて、施工品質管理標準・マニュアル類の整備、階層別研修会の実施、施工検討会による安全で堅実な施工計画の策定、巡回検査による正確性の担保など、良質で均一な品質を維持するための取り組みを推進している。また第三者機関による検査導入については、施主が第三者機関による検査を実施しない場合でも、建造物の安全性を確保するために重要な杭工事、配筋工事、レディーミクストコンクリートを対象として、当社が自前で第三者機関による検査を導入するなど、安心・安全なマンション供給に向けた体制を整備している。

 建設請負先は飯田グループ、タカラレーベン、NTT都市開発、三井不動産レジデンシャル、阪急不動産など、大手を中心とする優良なマンション・デベロッパーである。18年4月には九州支店を開設して事業エリア拡大を目指している。

 収益面では受注高・受注残高の動向がポイントとなる。また完成工事高の収益認識は工事進行基準だが、不動産売上(マンション用地販売)によって四半期業績が変動する可能性がある。

■19年5月期下方修正して減益予想、20年5月期収益改善期待

 19年5月期非連結業績予想は12月27日に下方修正し、売上高が18年5月期比3.3%増の214億99百万円、営業利益が11.2%減の19億95百万円、経常利益が10.9%減の19億89百万円、純利益が12.6%減の13億72百万円とした。

 通期売上高は計画比で35億18百万円減額した。完成工事売上は、一部案件の工事着工遅れや受注目標案件の一部見送りの影響で計画を下回る。不動産売上は、事業用地交渉の長期化や競争激化などを鑑み、成約見込み案件を再検証した結果、計画を下回る見込みとなった。また不動産売上における共同事業についても、販売戸数見通しを再検証し、一部を次期に繰り越す。売上高の計画未達を主因として、各利益は増益予想から一転して減益予想となった。20年5月期の収益改善を期待したい。

 なお配当予想は据え置き、18年5月期と同額の年間38円(期末一括)としている。予想配当性向は37.0%となる。

■新規分野進出で収益拡大目指す

 中期経営計画Innovation2018では、目標数値に21年5月期売上高312億80百万円、経常利益33億66百万円、受注高250億円、期末受注残高305億18百万円を掲げている。

 重点戦略として、東京圏(1都3県)でのシェア獲得と地位確立、人員拡充や継続的教育など業容拡大を支える体制の構築、効率化の追求や施工品質を保つことによるコスト低減を推進する。

 またホテル業との競争激化による用地確保の苦戦、さらに人員確保苦戦に伴い、共同事業収入の拡大、アクティブ・シニア向けマンションへの参入、九州支店開設による事業エリア拡大、リノベーション事業への参入など、新規分野への進出による収益拡大を目指す。

 中期的な目標としては完成工事利益率16%維持、売上高営業利益率10%以上への上積み、自己資本比率40%超、ROA20%超、ROE40%超の水準を掲げている。利益還元は業績連動型配当性向30%維持を基本方針として、内部留保の状況によって配当性向の向上を検討するとしている。

■株主優待制度は毎年11月末の株主対象

 株主優待制度は毎年11月30日現在で、100単元(1万株)未満保有株主に対してクオカード1000円分、100単元以上保有株主に対してクオカード2000円分を贈呈する。

■株価は安値圏

 株価は1000円~1200近辺のボックスレンジから下放れの形となり、12月25日には725円まで下押した。地合い悪の影響で安値圏だ。12月27日の終値は808円、今期予想PER(会社予想のEPS102円78銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約4.7%、前期実績PBR(前期実績のBPS389円72銭で算出)は約2.0倍、時価総額は約108億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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