Delta-Fly Pharmaは新規抗がん剤の創薬ベンチャー

 Delta-Fly Pharma<4598>(東マ)は18年10月東証マザーズに新規上場した。新規抗がん剤の開発を目指す創薬ベンチャーである。既存の抗がん活性物質を利用するモジュール創薬という独自コンセプトを特徴としている。株価はIPO人気が一巡し、地合い悪も影響して安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。

■新規抗がん剤の開発を目指す創薬ベンチャー

 18年10月東証マザーズに新規上場した。新規抗がん剤の開発を目指す創薬ベンチャーである。

 既存の抗がん活性物質をモジュール(構成単位)として利用し、創意工夫を加えてアセンブリ(組み立て)することで、新規抗がん剤を創製するモジュール創薬という独自コンセプトを特徴としている。基礎研究がほとんど不要となり、臨床での有効性と安全性の予測が可能となるため、一般的な抗がん剤開発に比べて研究開発の期間が短く、かつ臨床試験で失敗する開発リスクも低減される。

 ビジネスモデルとしては研究開発のマネジメント業務に集中し、具体的な業務については外部の研究開発受託会社や製造受託会社に委託している。効率的な運営を特徴としている。

 また収益モデルとしては、研究開発段階では提携製薬会社からの契約一時金、マイルストーン、開発協力金が主な収入となり、提携対象製品が上市に至った場合は売上高に応じたロイヤリティ収入を得る。

■開発中のパイプライン

 開発中のパイプラインは、難治性・再発急性骨髄性白血病を対象疾患とする抗がん剤候補化合物DFP-10917(米国で臨床第3相準備中、日本で臨床第1相準備中)、肺がん等を対象疾患とするDFP-14323(日本で臨床第2相試験中)、膵がん等の固形がんを対象疾患とするDFP-11207(欧米で臨床第2相準備中)、固形がん・血液がんを対象疾患とするDFP-14927(米国で臨床第1相準備中)、腹膜播種移転がんを対象疾患とするDFP-10825(前臨床試験中)、固形がんを対象疾患とするDFP-17729(前臨床準備中)である。

 11月27日にはDFP-17729に関連する特許出願を発表した。また12月25日にはDFP-14927について、米国FDA(食品医薬局)へIND(臨床試験用の新医薬品)申請したと発表している。19年から米国において、消化器がん患者を対象に臨床第1相試験を開始予定である。

 なお19年3月期の非連結業績予想は、売上高が2億円、営業利益が6億82百万円の赤字、経常利益が7億39百万円の赤字、純利益が7億41百万円の赤字としている。DFP-10917の日本での臨床第1相試験開始に伴うマイルストーン収入を見込んでいる。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は12月26日に2480円まで下押した。IPO人気が一巡し、地合い悪も影響して安値圏だが、10月高値5380円から半値水準でほぼ底値圏だろう。売り一巡して反発を期待したい。12月27日の終値は2511円、時価総額は約110億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る