【株式評論家の視点】ズームは今期新製品の投入やMogar社の業績が貢献へ、突っ込み買い妙味増す

株式評論家の視点

ズーム<6694>(JQS)は、2017年3月28日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。同社グループは、音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業としており、「WE’RE FOR CREATORS」という基本理念のもと、世界中のクリエーターがよりユニークでオリジナルな作品を創造できるツールを提供することによってブランド力を向上し、株主、従業員や取引先などの同社グループと関係するステークホルダーから評価される企業を目指している。

 同社は、ポータブルなハンディレコーダーをはじめ、エフェクトプロセッサー、マルチトラックレコーダー、オーディオ・インターフェース、リズムマシン、サンプラーなど、レコーディング機器から電子楽器まで幅広い製品を開発している。30年以上に渡り、最新のDSPテクノロジーをベースにした革新的な製品をリーズナブルなプライスで提供している。「音」と「音楽」に特化した事業を展開、国内では島村楽器、石橋楽器、池部楽器、アマゾン、モリダイラ楽器、山野楽器、ESP、他国内主要楽器店500店舗で、海外では50以上の販売代理店網により世界130か国と幅広い国・地域で「ZOOM」ブランドが浸透している。

 昨年11月9日に発表済みの今2018年12月期第3四半期累計の業績実績は、売上高53億7800万円(前年同期12.5%増)、営業利益1億2800万円(同42.7%減)、経常利益1億8700万円(同10.7%減)、純利益1億7200万円(同0.8%増)に着地したが、7-9月期の業績実績は、売上高23億2700万円(前年同期29.8%増)、営業利益1億1500万円(同30.7%増)、経常利益1億3300万円(同30.4%増)、純利益1億2900万円(同46.6%増)と回復した。

 前年同期に比べて円高に推移したものの、主力のハンディオーディオレコーダー及びデジタルミキサーが好調であったことにより前年同期比べて増加。子会社化したMogarMusic S.p.A.(Mogar社)の売上を2018年第3四半期から連結したことが寄与し前年同期比増べて増加した。

 前18年12月期業績予想は、売上高74億0100万円(前期比17.5%増)、営業利益2億0300万円(同37.9%減)、経常利益2億6700万円(同26.3%減)、純利益2億1600万円(同24.9%減)を見込む。年間配当予想は、期末一括40円継続を予定としている。

 株価は、昨年1月29日につけた昨初来の高値3240円から同12月26日に昨初来の安値1161円まで64%調整を挟んで上昇。12月期決算期越えに伴う処分売りは一巡した感があり、PBR0.66倍と割り負け、前期予想配当利回り2.9%と利回り妙味もある水準にある。今19年12月期は新製品の投入やMogar社の業績が貢献し、反発が観測されており、2月14日に予定される12期本決算の発表が注目される。ここから大きく突っ込み、安値に接近する場面があれば、絶好の買い場提供となりそうだ。(株式評論家・信濃川)

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