トレジャー・ファクトリーは急反発、19年2月期大幅増益予想、3Q累計が計画超で通期上振れ余地

 トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。19年2月期大幅増益予想である。第3四半期累計が計画超の大幅増益と順調だったことや、18年9月以降の既存店売上が好調なことも考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は自己株式取得(上限20万株・1億50百万円、取得期間19年1月15日~19年1月31日)も好感して急反発している。戻りを試す展開を期待したい。

■リユースショップを展開

 総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。

 19年1月11日時点の店舗数は、グループ合計185店舗(海外2店舗含むトレジャー・ファクトリー63店舗、トレファクスタイル50店舗、ブランドコレクト2店舗、トレファクスポーツ4店舗、ユーズレット4店舗、トレファクマーケット1店舗、16年9月子会社化したカインドオル40店舗、18年3月子会社化したゴルフキッズ21店舗)である。

 18年11月には、千葉県千葉市の幕張エリアに、新たな旗艦店として初の複合店(総合業態トレジャー・ファクトリーにスポーツ・アウトドア業態トレファクスポーツを併設)をオープンした。

 中期成長戦略として、既存店の強化、国内主要都市への複数業態を組み合わせた新規出店、M&Aの活用、海外事業拡大(19年1月18日にタイ・バンコク3号店をオープン)などを推進している。

 新規事業ではECドレスレンタル「Cariru」事業や、トレファク引越+買取サービス事業に注力している。またEC事業の本格展開やビッグデータを活用した新規ビジネスの創出に向けて、19年1月17日にシステム開発のデジタルクエイストを子会社化した。

■19年2月期大幅増益予想、3Q累計が計画超で通期上振れ余地

 19年2月期連結業績予想は、売上高が18年2月期比8.3%増の177億99百万円、営業利益が31.6%増の8億18百万円、経常利益が25.7%増の8億41百万円、純利益が60.2%増の5億54百万円としている。配当予想は18年2月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は32.6%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比7.8%増の130億12百万円、営業利益が39.9%増の6億44百万円、経常利益が34.1%増の6億72百万円、純利益が32.2%増の4億42百万円だった。新規出店は単体直営12店舗で、単体既存店売上は100.2%と堅調だった。さらに売上総利益率改善(0.3ポイント上昇の62.5%)や販管費コントロール効果で計画超の大幅増益だった。子会社カインドオルの営業黒字化も寄与した。

 通期ベースでは、12店舗前後の新規出店、既存店売上100%、既存店売上総利益率0.5ポイント改善、子会社カインドオルおよびゴルフキッズの収益改善を見込み、海外事業も黒字化を目指している。

 月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、18年12月は全店109.8%、既存店105.1%だった。既存店売上は4ヶ月連続の前年比プラスだった。生活家電、衣料が好調だった。12月の新規出店は0店舗、退店は0店舗で、12月末時点の店舗数は122店舗となった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高73.1%、営業利益78.7%と順調である。第3四半期累計が計画超の大幅増益と順調だったことや、18年9月以降の既存店売上が好調なことも考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。好業績を期待したい。

■株主優待制度は2月末の株主対象

 株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象に実施している。

■株価は急反発して戻り試す展開

 株価は地合い悪の影響で12月28日に552円まで下押したが、その後は切り返し、さらに自己株式取得も好感して急反発している。1月17日には775円まで上伸した。戻りを試す展開を期待したい。1月18日の終値は767円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS48円76銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS348円09銭で算出)は約2.2倍、時価総額は約89億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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