京写は調整一巡して出直り期待、19年3月期3Q累計減益だが3Q営業損益改善して通期増益予想

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 京写<6837>(JQ)はプリント配線板の大手メーカーである。自動車ヘッドランプ関連やLED照明関連が拡大基調である。19年3月期第3四半期累計は減益だが、四半期別に見ると第3四半期は販売価格是正効果で営業損益が改善した。そして通期増益予想である。株価は0603部品対応配線板を好感した1月の戻り高値から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。

■プリント配線板の大手

 プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。

 プリント配線板は防塵対策基板、高熱伝導・放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持ち、電子部品の急速な小型化に対応した業界初のスクリーン印刷法による0603チップ部品対応片面プリント配線板の受注拡大が期待されている。

 18年3月期の製品別売上高構成比は片面板47%、両面板39%、その他(実装治具関連)13%だった。また製品用途別売上高構成比は自動車関連32%、家電製品27%、事務器10%、映像関連9%、電子部品・電子機器8%、アミューズメント関連2%、その他12%だった。

 収益面では自動車や家電などの生産動向の影響を受けやすいが、幅広い用途と顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得し、自動車ヘッドランプ関連やLED照明関連の市場拡大が追い風である。

 生産は国内、中国、インドネシアに拠点展開している。18年5月には中国で両面プリント配線板および多層プリント配線板の生産を委託しているサンティス香港、およびその子会社のサンティス南沙と資本・業務提携した。また両面プリント配線板の新たな生産拠点としてベトナムに製造子会社を設立(19年1月予定)する。

■19年3月期3Q累計減益だが3Q営業損益改善して通期増益予想

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.5%増の220億円、営業利益が29.4%増の7億50百万円、経常利益が20.3%増の7億40百万円、純利益が7.4%増の5億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間8円(期末一括)で、予想配当性向は22.8%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比1.0%増の160億32百万円、営業利益が4.3%減の4億30百万円、経常利益が11.1%減の4億23百万円、純利益が7.4%減の2億92百万円だった。

 第3四半期累計ベースで、国内はプリント配線板が自動車関連、LED照明等の家電製品・映像関連、実装が航空機関連やノートパソコン関連で堅調に推移したが、海外は中国やインドネシアで映像関連の需要が減少したため、全体として微増収にとどまった。また利益面では原材料の銅張積層板の価格高騰、国内での増産に伴う外注費の増加などで減益だった。

 ただし営業利益の四半期別推移を見ると、第1四半期83百万円、第2四半期1億13百万円に対して、第3四半期は2億34百万円となった。第3四半期は原材料費高騰に対する販売価格是正が進展して営業損益が改善した。通期ベースでも収益改善を期待したい。

■21年3月期営業利益17億円目指す

 中期経営計画では、目標数値に21年3月期売上高280億円(片面配線板105億円、両面配線板145億円、治具20億円、実装10億円)、営業利益17億円(営業利益率6.0%)を掲げている。株主還元は配当性向20%を目標とする。

 車載ヘッドランプ向け新製品など高付加価値製品の拡販、フイルム基板など新製品の開発、両面配線板の生産能力増強、新規事業の創出・育成などを推進する。19年1月には、業界初のスクリーン印刷法による0603チップ部品対応片面プリント配線板を発表している。受注拡大が期待される。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は0603部品対応配線板を好感した1月18日の戻り高値520円から反落したが、350円近辺から切り返している。調整一巡して出直りを期待したい。2月7日の終値は374円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS34円89銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS473円72銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約55億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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