CRI・ミドルウェアがストップ高、営業利益8倍などの大幅な好決算を好感

株式市場 銘柄

◆「ミドルウェア」好調な上、新規分野も次第に収益化しはじめる

CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は2月8日の前場、買い気配のままストップ高の3500円(基準値から500円高)に張り付いて推移し、売買が成立しなかった。

 2月7日に発表した2019年9月期・第1四半期の連結決算は、独自開発のミドルウェア「CRIWARE」が一段と拡大するなどで売上高が4.74億円(前年同期比54.7%の増加)となり、営業利益は同8.4倍の1.35億円、純利益も同6.5倍の9800万円と大幅な増収増益。医療・ヘルスケア分野では大型開発案件が寄与し、新規分野も次第に収益化し始める製品が増加し、前第4四半期から連結化したウェブテクノロジ社の業績の純増も加わった。

 また、新規分野では、映像データ圧縮率が千分の1レベルという圧倒的な圧縮技術などが、監視カメラセキュリティやWeb動画ソリューションなどに採用され、次第に収益化しはじめてきたという。(HC)

◆業績見通しの増額修正が濃厚との見方

 こうした展開により、連結営業利益は、期初に開示した第2四半期までの連結業績見通し(営業利益は1.62億円、経常利益は1.67億円)の9割強を確保し、進ちょく率も想定を上回る好決算となった。

 「ミドルウェア」はハードウェアとソフトウェアをつなぐもので、「なくてもソフトの再生はできるが、あれば映像や音声などをより高精細化し綺麗にできる」(同社)技術。このミドルウェア「CRIWARE」(CRIウェア)のライセンス売上高がスマートフォンゲーム向けを中心に好調に推移したほか、組込み分野では、サウンド再生ミドルウェア「D‐AmpDriver」(ダンプドライバー)が車載機器やIoT家電、ホームセキュリティ機器などの音声と映像による案内システム向けなどに拡大した。

 9月通期の連結業績見通しは、とりあえず期初に開示した予想を継続し、売上高は19.0億円(前期比15.8%の増加)、営業利益は4.10億円(同2.1%の増加)、親会社の株主に帰属する純利益は2.9億円(同2.4%の増加)、1株利益は60円55銭、とした。しかし、アナリストなどの受け止め方は、第2四半期の見通しとともに増額修正に進む可能性が濃厚になったとの見方が少なくないようだ。(HC)

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