(注目銘柄)サンコーテクノの第3四半期は増収効果に加え、利益率が改善し、前年同期比で20%以上の増益となる

◆土木関連を中心に、完成工事高が増加

 あと施工アンカーのサンコーテクノ<3435>(東2)は8日、今期第3四半期の連結業績を発表した。第3四半期は増収効果に加え、利益率が改善したことで、前年同期比で20%以上の増益となった。株価は安値圏で推移していることから、注目銘柄といえる。

 同社グループが関連する建設市場は、建設技能労働者の慢性的な不足が解消されていないことに加え、工事材料費・労務費が上昇している。

 そのような状況の中で、同社の主力事業であるファスニング事業では、各種設備工事等の需要は、民間工事は増加したものの、公共工事は前年を下回る水準で推移 しており、主力製品である金属系あと施工アンカーの販売は微増に留まった。また、耐震工事等の減少により低迷していた接着系あと施工アンカーの販売が底打ちしたほか、土木関連を中心に、完成工事高が増加したことなどから、総じて堅調に推移した。その結果、ファスニング事業の売上高は98億79百万円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益は13億08百万円(同13.8%増)となった。

 機能材事業につては、電動油圧工具関連の販売が、国内を中心に好調に推移した。一方、電子基板関連が前年並みで推移したほか、アルコール検知器の販売が減少した。FRPシート関連は、二重床や防水樹脂の材料販売を終了したことにより減少した。 この結果、売上高は22億74百万円(同11.0%減)、セグメント利益2億04百万円(同33.1%減)と減収大幅減益。

 しかし、全体では、機能材事業の不振をファスニング事業がカバーしたことで、19年3月期第3四半期連結業績は、売上高121億54百万円(同4.1%増)、営業利益9億07百万円(同21.4%増)、経常利益9億15百万円(同21.0%増)、純利益6億31百万円(同26.0%増)となった。

◆営業利益率は1.07ポイント改善

 営業利益率をみると、7.46%となり、前年同期の6.39%と1.07ポイント改善している。

 第3四半期が順調に推移したことで、通期業績予想は据え置いている。

 ちなみに、19年3月期通期連結業績予想は、売上高168億円(同2.9%増)、営業利益12億円(同3.5%増)、経常利益12億10百万円(同4.1%増)、純利益8億35百万円(同4.8%増)を見込む。

 進捗率は、売上高72.3%(前年同期71.5%)、営業利益75.6%(同64.5%)、経常利益75.6%(同65.1%)、純利益75.6%(同62.9%)となっていることから通期業績予想の上振れが期待される。

 株価は、最安値圏で推移していることから、見直しが予想される。

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