マーケットエンタープライズは19年6月期上方修正を好感して急反発

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 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進している。2月14日に19年6月期予想を上方修正した。これを好感して株価は急反発している。出直りを期待したい。

■ネット型リユース事業を展開

 インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を展開している。コンタクトセンターからリユースセンターまで一気通貫のオペレーションシステムを特徴とし、マルチチャネル対応で全国的な仕入・販売網を構築している。

 買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、複数の自社運営WEB買取サイトを通じて一般消費者や法人からリユース品を仕入れ、全国のリユースセンターで在庫を一括管理する。そしてヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど、複数の主要Eマーケットプレイスに出店した自社運営サイトで、一般消費者や法人向けに販売する。販売サイトのサービスブランドは「ReRe(リリ)」に統一した。

■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進

 中期経営目標として3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、そして新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略を推進する。

 水平展開では仕入基盤拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設を推進している。リユースセンターは17年9月西東京、18年1月札幌を開設して合計10ヶ所となった。

 垂直展開ではM&Aやアライアンスも活用して取扱商品カテゴリー拡大を推進している。17年2月中古農機具・農業機械、18年2月中古建機・重機、18年4月中古医療機器分野に参入した。また18年9月には中古スマホ相場検索サービスを運用開始した。

 新サービスによる事業ドメイン拡大戦略では、16年8月光通信<9435>と合弁でMVNO(仮想移動体通信事業者)のMEモバイルを設立、17年3月宅配レンタルサービスを開始、18年1月民泊物件サイト運営のスペースエージェントと出資・事業提携に関する契約を締結、19年1月アウトレットジャパンからアウトレットモール情報メディア「OUTLET JAPAN」事業を譲り受けた。19年2月にはプロトコーポレーション<4298>からリユース総合情報サイト運営の「おいくら事業」を承継した。

■引越しシーズンの第4四半期(4月~6月)の構成比が高い収益構造

 収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。

■19年6月期上方修正して大幅増収増益予想

 19年6月期の連結業績予想は2月14日に上方修正し、売上高が18年6月期比27.3%増の80億65百万円、営業利益が2.5倍の2億45百万円、経常利益が2.6倍の2億47百万円、純利益が3.6倍の1億15百万円としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比31.5%増の38億32百万円、営業利益が1億50百万円(前年同期は5百万円)、経常利益が1億49百万円(同3百万円の赤字)、純利益が66百万円(同6百万円の赤字)だった。大幅増収効果で営業損益が改善した。

 前期に新規開設した2拠点(西東京、札幌)による買取商圏の拡大に加えて、新規サービスの農機具買取販売、子会社EMモバイルの通信サービス、オウンドメディア運営が想定以上に成長している。そして通期も大幅増収増益予想である。好業績を期待したい。

■株価は急反発

 株価は1月の戻り高値圏から反落したが、19年6月期上方修正を好感して急反発している。出直りを期待したい。2月15日の終値は900円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円53銭で算出)は約40倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS185円47銭で算出)は約4.9倍、時価総額は約46億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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