JFEシステムズは自律調整一巡して上値試す、19年3月期2桁増益予想で再上振れ余地

 JFEシステムズ<4832>(東2)はJFEグループの情報システム会社である。需要が高水準に推移して19年3月期2桁増益予想である。第3四半期累計が大幅増益と順調であり、通期利益予想に再上振れ余地がありそうだ。配当は6期連続増配予想である。株価は02年来となる1月高値から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■JFEグループの情報システム会社

 JFEグループの情報システム会社である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。

 18年3月期の事業別売上高は鉄鋼183億円、一般顧客142億円、基盤サービス40億円、子会社(JFEコムサービス)38億円だった。情報システム関連のため収益面では年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。

 なお健康経営優良法人2019(ホワイト500)大規模法人部門に2年連続で選定された。19年4月には独立系ITコンサルティング会社のIAFコンサルティング子会社化予定である。

■19年3月期2桁増益予想で再上振れ余地

 19年3月期連結業績予想(10月25日に利益を上方修正)は、売上高が18年3月期比6.7%増の430億円、営業利益が11.2%増の31億20百万円、経常利益が10.0%増の31億円、純利益が66.8%増の20億40百万円としている。売上高、利益とも過去最高予想である。配当予想(10月25日に期末5円増額)は25円増配の年間75円(期末一括)としている。6期連続増配予想で予想配当性向は28.9%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.2%増の308億12百万円、営業利益が25.7%増の25億33百万円、経常利益が24.1%増の25億19百万円、純利益が2.5倍の16億91百万円だった。ソリューション事業の拡大、製造業向けシステム開発の増加などで大幅増益だった。純利益は本社移転・首都圏オフィス集約に関連した特別損失の一巡も寄与した。

 通期の事業別売上高の計画は、鉄鋼が製鉄所システムリフレッシュ関連の増加で5億円増の188億円、一般顧客が製造業向け開発案件やソリューションの増加などで10億円増の152億円、基盤サービスが7億円増の47億円、子会社(JFEコムサービス)が5億円増の43億円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が71.7%、営業利益が81.2%と高水準である。第4四半期の構成比が高い特性も考慮すれば、通期利益予想に再上振れ余地がありそうだ。好業績が期待される。

■21年3月期経常利益32億円以上目標

 中期経営計画(19年3月期~21年3月期)の目標数値には、21年3月期売上高460億円以上、経常利益32億円以上、純利益20億円以上、配当性向(目安)30%を掲げている。

 重点戦略は、高収益事業への構造転換で製鉄所システムリフレッシュ本格化に向けた体制確保、AIやIoTなど新技術を活用したソリューション事業の拡大、クラウドやセキュリティ関連など基盤サービス事業の拡大、基幹事業の強化で自動車向け体制充実や金融向け構造転換推進など製造・金融分野の顧客基盤強化、プロダクト事業(食品、電子帳票)強化によるニッチトップ確立としている。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価は1月の02年来高値2983円から反落したが、2500円近辺から切り返しの動きを強めている。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。2月28日の終値は2627円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS259円78銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想年間75円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1700円28銭で算出)は約1.5倍、時価総額は約206億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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