【株式評論家の視点】RSテクノロジーは上場後の下値固め局面、今期減益は先行投資負担で来期に期待できる

株式評論家の視点

 RS Technologies<3445>(東マ・売買単位100株)は2015年3月24日に東証マザーズに新規上場した。初値は2100円と公開価格を約24%も下回って寄り付き、直後に2480円まで買い進まれたが、一転して反落、7日には1959円の安値をつけている。

 同社は半導体用ウェーハの再生事業を主力としている。半導体メーカーはコスト削減を図るために再生ウェーハの活用にシフトしている。このため、同社の三本木工場(宮城県大崎市)の生産能力を16万枚(それまでは14万枚)に2015年3月から増強。そして、中華民国の台南工場が稼働(10万枚)して2016年12月末には26万枚体制(2014年12月末14万枚、2015年12月末16万枚)が整う。

 2015年12月期の業績は設備投資などの先行投資が重荷となり、売上高54億8600万円(前期比20.1%増)と増収となるものの、営業利益は9億2700万円(同20.5%減)、当期純利益4億2000万円(同36.7%減)と減益となる見込みだ。

 しかし、設備能力アップの効果が表面化する2016年12月期は売上高72億7600万円(今期予想比32.6%増)、営業利益18億2000万円(同96.3%増)、当期純利益12億6300万円(同3倍)と大幅な増収増益が見込まれている。

 中期経営計画の最終年度である2017年12月期は売上高74億4200万円(今期予想比35.7%増)、営業利益19億1200万円(同2.1倍)、当期純利益13億2400万円(同3.2倍)を見込んでいる。この時点で予想一株当たり利益は約240円(今期約80円)と高収益会社へと変貌を遂げる。

 株価は今期の減益が嫌気されて下げ、上値のシコリ処分売りも加わり、もう少し下値はありそうだ。足元では高値からの下落率は21%と下落率でもやや物足りない。高値から3割下げの1730円台を狙うのがよさそうだ。(志木克己)

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