エスプールは上値試す、19年11月期大幅増収増益・増配予想

 エスプール<2471>(東2)はロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開し、19年11月期大幅増収増益・増配予想である。株価は戻り高値圏でモミ合う形だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお4月3日に第1四半期決算発表を予定している。

■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業

 ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、セールスサポートサービス、新規事業)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。

 18年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業が30%、人材ソリューション事業が70%、営業利益構成比(連結調整前)はビジネスソリューション事業が47%、人材ソリューション事業が53%だった。

 障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は18年11月期末時点で13農園を展開し、利用企業数186社、管理区画数2039区画、就業数1020名となった。また17年10月アルバイト・パート採用代行業務でツナグ・ソリューションズと業務提携、17年12月中国国内のECプロモーションや越境ECコンサルティングを行う上海潤世企業営銷管理と業務提携している。なお19年3月には経済産業省が認定する「地域未来牽引企業」に認定された。

■営業利益率5%の早期達成目標

 中期経営計画の目標値は、営業利益率5%の早期達成と20年度までに業界最高水準10%の達成、安定的かつ継続的な配当の実施、ROE最低5%堅持としている。配当の基本方針は連結ベースでの株主資本配当率(DOE)5%を目安としている。営業利益の季節特性として、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期、および第4四半期の構成比が高い傾向がある。

■19年11月期大幅増収増益・増配予想

 19年11月期連結業績予想は、売上高が18年11月期比15.3%増の170億66百万円、営業利益が28.1%増の12億60百万円、経常利益が23.9%増の12億48百万円、純利益が31.0%増の8億11百万円としている。大幅増収増益で過去最高を連続更新予想だ。配当は5円増配(創立20周年記念配当3円含む)の年間10円(期末一括)としている。予想配当性向は19.4%となる。

 ビジネスソリューション事業は売上高が6.5%増の47億74百万円で営業利益が33.8%増の11億70百万円の計画である。障がい者雇用支援サービスは5農園新設・800区画販売で26.5%増収の計画である。埼玉県に進出し、千葉・愛知・埼玉の3エリア体制に拡大する。ロジスティクスアウトソーシングサービスは、配送費値上げに対応して配送費を立替方式に変更(売上減への影響約5億円)するため29.1%減収の計画だが、粗利額に影響は無い。なお収益改善に向けて自社営業を強化し、品川センターの早期満床を目指す。採用支援サービスは下期に1拠点開設予定で48.1%増収の計画である。

 人材ソリューション事業は売上高が19.4%増の124億円で営業利益が17.4%増11億79百万円の計画である。コールセンター業務は22.8%増収、店頭販売支援は19.6%増収見込みとしている。

 なお障がい者雇用支援サービスの区画販売が下期に集中するため下期偏重の計画である。アウトソーシング需要は高水準であり、高付加価値サービスが牽引して19年11月期も収益拡大基調に変化はないだろう。

■株価は上値試す

 株価(19年2月19日付でJASDAQから東証2部に市場変更)は戻り高値圏でモミ合う形だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。3月13日の終値は1868円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円43銭で算出)は約36倍、今期予想配当利回り(会社予想年間10円で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS128円27銭で算出)は約15倍、時価総額は約295億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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