【アナリスト水田雅展の銘柄分析】NSユナイテッド内航海運は指標面に割安感、16年3月期増収増益期待で出直り

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 NSユナイテッド内航海運<9180>(JQS)の株価は、3月期末の配当権利落ちなども影響して水準を切り下げた。調整局面の形だが、指標面には割安感が強く、16年3月期の増収増益期待で出直り展開だろう。

 NSユナイテッド海運<9110>グループで、営業力の一層の強化を図るため14年10月1日付で商号を新和内航海運からNSユナイテッド内航海運に変更した。

 鉄鋼向けの原料炭・石灰石・鋼材、電力向けの石炭、建設向けのセメントなどを輸送する内航海運事業を主力として、港湾運送事業やLPGタンクローリー等輸送事業なども展開している。

 前期(15年3月期)連結業績見通し(4月30日公表)は売上高が前々期比3.6%増の217億92百万円、営業利益が同25.9%減の13億86百万円、経常利益が同26.3%減の13億30百万円、純利益が同30.8%減の8億02百万円、配当予想が同10円減配の年間10円(期末一括)としている。

 第3四半期累計(4月~12月)は前年同期比7.1%増収、28.6%営業減益、28.5%経常減益、34.7%最終減益だったが、通期見通しに対する進捗率は売上高75.9%、営業利益72.2%、経常利益72.9%、純利益75.1%と概ね順調な水準だった。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)54億93百万円、第2四半期(7月~9月)55億52百万円、第3四半期(10月~12月)54億89百万円で、営業利益は第1四半期1億09百万円、第2四半期4億26百万円、第3四半期4億65百万円である。営業利益は船舶ドック入りが集中して修繕費が大幅増加した第1四半期をボトムとして改善基調だ。

 今期(16年3月期)も鉄鋼関連貨物を中心として輸送量が好調に推移するだろう。そして修繕費の一巡、原油価格下落に伴う燃料価格下落メリットの本格化も寄与して増収増益が期待される。

 株価の動きを見ると、3月期末の配当権利落ちなども影響して3月27日の512円まで水準を切り下げたが、さらに売りこむ動きは見られず4月7日は530円まで戻した。

 4月7日の終値530円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS74円44銭で算出)は7~8倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.9%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS663円52銭で算出)は0.8倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面の形だが、指標面には割安感が強く、16年3月期の増収増益期待で出直り展開だろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る