ベステラの前1月期連結業績は6期連続増収となり各利益とも最高を更新

■「全体的に利益率のいい工事量が増加」と会社側

ベステラ<1433>(東1)の2019年1月期の連結業績は、この期から連結決算に移行し、「全体的に利益率のいい工事量が増え」(同社)、売上高が49.27億円となり、営業利益は4.97億円、純利益は6.21億円となった。

■原子力発電所の廃止措置に関連する需要が今後拡大

 プラント解体の専業大手で、球形のガスタンク解体では独自開発の「リンゴ皮むき工法」などで知られる。単体の業績数字で前期と比較すると、売上高は前期比7.3%増加して6期連続増収となり最高を更新し、営業利益は同31.9%増加して最高を更新、親会社に帰属する当期純利益は旧本社ビルの売却益が加わり同2.4倍になった。

 人手不足による労務単価の上昇、建築資材の値上がりなどが続いたが、この期は、とりわけ電力業界、製鉄業界向けの工事の割合が増加した。

■高度経済成長期に建造された設備が物理的な老朽化など迎える

 プラント解体の分野では、前回の東京オリンピック(1964年)から今年は55年になるように、高度経済成長期に建造された設備が、物理的な老朽化に加え、経済的陳腐化などの理由により解体、更新時期を迎えてくると分析。また、グローバルな産業競争力強化のため、企業の再編、海外移転などのリストラクチャリングが増加するものと推測している。

 今期・2020年1月期の見通しは、こうした更新時期の到来にともなう需要の本格化に加え、原子力発電所の廃止措置に関連する需要が今後拡大することが予想されること、などから、連結売上高は57.0億円(19年1月期比15.7%の増加)を想定し、営業利益は5.25億円(同5.5%の増加)を見込む。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した旧本社ビルの売却益がなくなるため3.67億円(同41.0%減)、1株利益は44円61銭を見込む。

 原発関連ビジネスへの取り組みは、前期に日立プラントコンストラクションと提携したことですべての分野で厚みが増した。今後も、M&Aなどの戦略的な事業投資に加え、新たな工法に関する研究開発、採用活動、および安心して働ける仕組みづくり、効率的な業務管理を実現するシステム導入などの成長投資を積極的に行っていくとした。

 中期計画(2020年1月期から22年1月期)では、「収益構造改革」「人事構造改革」「3D事業の価値の追求」「M&A戦略」を基本戦略として事業を推進し、到達年度の連結売上高は72.0億円、親会社株主に帰属する当期純利益は4.57億円、1株利益55.0円を掲げている。(HC) 

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