ミロク情報サービスは上値試す、19年3月期2桁増益予想で20年3月期も収益拡大基調

ミロク情報サービス<9928>(東1)は、財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野を強化している。19年3月期2桁増益予想である。第3四半期累計が高進捗率であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。そして20年3月期も収益拡大基調だろう。株価は戻り一服の形となったが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。なお5月10日に19年3月期決算発表を予定している。

■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力

 会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。会計事務所が抱えている課題を解決することで、中堅・中小企業支援にも繋がるトータルソリューションを強みとしている。

 18年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が61%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入など継続的な役務の対価)が34%、その他が4%だった。

 収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。長期目標には21年3月期売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を掲げている。

■クラウドサービスやFinTech分野を強化

 中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」を構築し、振込、請求書発行・入金消込、給与明細配信、アカウントアグリケーション、資金繰り管理など、新たなFinTech分野サービスを「bizsky」上で展開している。

 子会社MWIはアカウントアグリケーションサービス「Account Tracker」を提供している。19年1月には電子決済等代行業者の登録を完了した。

■19年3月期2桁増益予想で上振れの可能性、20年3月期も収益拡大基調

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.9%増の306億円、営業利益が12.6%増の50億50百万円、経常利益が13.0%増の50億円、純利益が14.3%増の32億90百万円としている。配当予想(2月22日に期末4円上方修正)は7円増配の年間34円(期末一括)としている。予想配当性向は32.2%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比12.9%増の238億21百万円、営業利益が12.1%増の43億95百万円、経常利益が10.3%増の42億74百万円、純利益が13.2%増の27億76百万円だった。新規顧客獲得やサービス収入増大などで2桁増収増益だった。

 システム導入契約売上高は15.4%増収(ハードウェアが3.8%増収、ソフトウェアが18.1%増収、ユースウェアが18.6%増収)だった。サービス収入は4.6%増収(TVS収入が2.1%増収、ソフト使用料収入が11.6%増収、ソフトウェア運用支援サービス収入が5.0%増収、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が2.7%増収、サプライ・オフィス用品が0.3%増収)だった。

 通期でも新規開拓による顧客基盤拡大、先端技術を活用した製品開発、コスト構造最適化による生産性向上、新規事業推進とグループシナジー最大化などの施策を推進し、システム導入契約売上高、サービス収入とも順調に拡大する。第3四半期累計の進捗率は売上高77.8%、営業利益87.0%と高進捗率であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。そして20年3月期も収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り一服の形となったが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。4月1日の終値は2854円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS105円72銭で算出)は約27倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間34円で算出)は約1.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS520円87銭で算出)は約5.5倍、時価総額は約993億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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