フォーカスシステムズは調整一巡、19年3月期大幅増益予想で20年3月期も収益拡大期待

 フォーカスシステムズ<4662>(東1)は、公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用を主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。19年3月期大幅増益予想である。20年3月期も収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■システム構築・保守・運用を主力としてセキュリティ機器関連事業も展開

 公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。収益面では年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。また財務面では実質無借金経営である。

 18年3月期の事業別売上高構成比は公共関連事業32%、民間関連事業62%、セキュリティ機器関連事業6%だった。顧客別売上構成比はNTTデータ<9613>関連34%、日本IBM関連21%、ソフトバンク<9984>関連4%、TISインテック関連4%、沖電気<6703>関連4%、その他33%だった。

 中期成長に向けた重点戦略として、需要が潤沢なインフラビジネス分野における技術者の育成、ノウハウ蓄積にも繋がる運用系業務分野におけるシェア拡大、業務アプリケーション分野における専門技術への取り組み強化による対応領域拡大を推進している。優秀な人材確保への採用投資、現社員に高付加価値(最先端技術の習得やマネジメントスキル向上)を付けるための技術者への教育投資、ガバナンス強化を目的とした社内管理体制への人的投資も推進する。

 18年5月一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)とアライアンスパートナー契約を締結、JPPVR社と共同でVR・AI・ブロックチェーン等の先端技術の研究開発を行う新会社VRaiB社を設立した。18年11月にはDPAおよび茨城県笠間市とドローン活用による連携協力協定を締結した。またFRONTEO<2158>の人工知能による特許調査・分析システムの新製品「Pantent Explorer 19」の開発に協力した。

 19年2月にはRPA分野で米UiPath社の日本法人と開発リソースパートナー契約を締結、19年3月には米MarkLogic社とパートナー契約を締結、筑波大学と三次電池の実装に関する共同研究を開始した。また4月2日には筑波技術大学と聴覚障害者の職域拡大や環境改善を目指し、複数人との会話におけるリアルタイム字幕表示に関して共同研究を行うと発表した。

■19年3月期大幅増益予想で20年3月期も収益拡大期待

 19年3月期の非連結業績予想(2月8日に上方修正)は売上高が18年3月期比10.2%増の213億円、営業利益が29.7%増の13億30百万円、経常利益が30.5%増の13億30百万円、純利益が16.8%増の8億40百万円としている。配当予想(2月8日に上方修正)は18年3月期比4円増配の年間20円(期末一括)としている。予想配当性向は35.8%となる。

 公共関連事業、民間関連事業とも需要が高水準に推移し、利益面ではプロジェクト管理の徹底、人材の獲得・育成、民間関連事業におけるAI・クラウド関連の新規案件獲得および収益性の高い請負案件の増加なども寄与する。大幅増益予想となった。なお東京都練馬区に保有する土地建物について、老朽化した社員寮を廃止して遊休資産とした。これに伴い固定資産減損損失を計上予定である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比13.8%増の157億01百万円、営業利益が59.7%増の10億56百万円、経常利益が61.8%増の10億60百万円、純利益が50.2%増の6億94百万円だった。需要が高水準に推移し、売上総利益率の改善も寄与して大幅増益だった。通期も好業績を期待したい。そして20年3月期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度(2月8日に一部変更を発表)は、毎年3月末現在の株主(200株以上)に対して贈呈するポイントを変更(詳細は会社HP参照)した。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。4月11日の終値は945円、前期推定PER(会社予想EPS55円83銭で算出)は約17倍、前期推定配当利回り(会社予想年間20円で算出)は約2.1%、前々期実績PBR(前々期実績BPS611円34銭で算出)は約1.5倍、時価総額は約154億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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