ジェイエスエスは調整一巡、19年3月期増収増益予想で20年3月期も収益拡大期待

 ジェイエスエス<6074>(JQ)はスイミングスクールを運営している。19年3月期は会員定着率改善などで小幅ながら増収増益予想である。20年3月期も収益拡大を期待したい。株価は戻り一服でモミ合い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■スイミングスクール運営

 スイミングスクールを運営している。直営と受託で全国展開し、18年3月期末の事業所数は直営62ヶ所、受託21ヶ所、合計83ヶ所(うちコンパクトプール14か所)である。会員数は子供会員8万6558人、大人会員1万2258人、合計9万8810人である。なお育成選手実績として、瀬戸大地選手や渡部香生子選手など多くのオリンピック出場選手を輩出している。

 スクール事業の強みには、フィットネスクラブとの比較で景気に左右され難いという点がある。入会から四泳法習得まで2~3年の安定した在籍が期待され、ベビーからの入会や選手コースへの進級で長期在籍の可能性も高まる。大人会員は高齢者が中心で、生涯スポーツ化も期待される。

 収益拡大に向けた施策として、世界レベルを目指す選手・育成コースの会員数拡大、水泳インストラクター養成講習会開催など人材育成、独自の多段階進級システムや顧客満足度向上による退会防止、会員向けグッズ販売やグループ外スクール向けスイミング用品販売の拡大、水中健康運動器具の開発、キッズ体育の強化、イニシャルコスト・ランニングコストを軽減するコンパクトタイプのスイミングクラブの展開などを推進している。

■19年3月期増収増益予想、20年3月期も収益拡大期待

 19年3月期業績(非連結)予想は、売上高が18年3月期比2.0%増の88億98百万円、営業利益が5.9%増の5億83百万円、経常利益が3.8%増の5億79百万円、純利益が3.7%増の3億76百万円としている。配当予想は2円50銭増配の年間15円(第2四半期末7円50銭、期末7円50銭)としている。予想配当性向は16.1%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比0.7%増の66億74百万円、営業利益が13.7%減の4億01百万円、経常利益が11.1%減の4億06百万円、純利益が11.6%減の2億52百万円だった。新規出店は順調だったが、入会者獲得が伸び悩み、合計会員数は1.3%減の1万1691人となった。売上高が微増収にとどまり、人件費の増加や水光熱費高騰による経費の増加で減益だった。

 通期は会員定着率改善、新規出店、商品販売拡大などで、小幅ながら増収増益予想である。第3四半期累計の進捗率は売上高75.0%、営業利益68.8%である。概ね順調だろう。20年3月期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回

 株主優待制度は毎年3月31日および9月30日の年2回、1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。保有株式数に応じて優待券を贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服でモミ合い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。4月25日の終値は626円、前期推定PER(会社予想EPS93円42銭で算出)は約7倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は約2.4%、前々期実績PBR(前々期実績BPS641円70銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約25億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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