スターティアホールディングスは下値固め完了、19年3月期2桁営業増益予想で20年3月期も収益拡大期待

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 スターティアホールディングス<3393>(東1)はデジタルマーケティング関連事業とITインフラ関連事業を主力としている。19年3月期は特別利益一巡で最終減益だが、需要が高水準に推移して2桁営業増益予想である。20年3月期も収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。お5月15日に19年3月期決算発表を予定している。

■デジタルマーケティング関連とITインフラ関連が主力

 18年4月スターティアが持株会社に移行した。セグメント区分(19年3月期から変更)および19年3月期第3四半期累計の売上構成比は、デジタルマーケティング関連事業17%、ITインフラ関連事業79%、ビジネスアプリケーション関連事業3%、CVC関連事業0%、海外関連事業1%、その他事業0%である。

 デジタルマーケティング関連事業は、AR(拡張現実)作成ソフトCOCOAR、MA(マーケティングオートメーション)ツールBowNow、電子ブック作成ソフトActiBook、アプリ制作ソフトApp Goose、商品データベース作成ソフトPlusdbなどのアプリケーション開発・販売を行っている。統合型デジタルマーケティングサービスCloud Circusの拡販やラインナップ充実を推進している。18年12月にはアジアクエストに出資(20%未満)して資本業務提携した。

 ITインフラ関連事業は、MFP・ビジネスホン・UTM・ネットワーク機器など情報通信機器の販売・施工・保守、およびサーバ構築から運用保守までのシステムインテグレーションを行っている。18年11月には空調、新電力サービスを中心とする環境関連サービスを開始した。また19年2月にはサガスのOA機器関連事業を譲り受けた。

 ビジネスアプリケーション関連事業はクラウドストレージサービス、RPA製品導入・コンサルティングを行っている。CVC関連事業はキャピタルゲインを目的とした投資事業を行っている。海外関連事業は中国とシンガポールの現地法人が、日中間ブロードバンドインターネット提供、クラウド構築運用支援などを展開している。

■19年3月期2桁営業増益予想、20年3月期も収益拡大期待

 19年3月期の連結業績予想(18年11月9日に利益を上方修正)は、売上高が18年3月期比10.0%増の121億60百万円、営業利益が11.7%増の4億円、経常利益が16.2%増の4億37百万円、純利益が56.0%減の2億70百万円としている。特別利益一巡で最終減益だが、需要が高水準に推移して2桁営業増益予想である。配当予想は持株会社移行記念配当3円を落として、3円減配の年間9円(第2四半期末3円、期末6円)としている。予想配当性向は34.1%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比6.6%増の86億24百万円、営業利益が34.7%増の3億78百万円、経常利益が41.6%増の4億15百万円、純利益が45.1%減の2億64百万円だった。

 主力のデジタルマーケティング関連事業が12.8%増収、ITインフラ関連事業が4.9%増収、ビジネスアプリケーション関連事業が11.5%増収と牽引した。ネットワーク機器関連の販売が伸長し、各ストック型サービスも堅調だった。ストック売り下比率は44.0%で1.2ポイント上昇した。中途採用人数が計画を下回ったことや、広告宣伝費の削減も寄与して大幅営業増益だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が70.9%、営業利益が94.5%である。通期利益は上振れの可能性が高いだろう。20年3月期も収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は下値固め完了して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。4月25日の終値は640円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS26円37銭で算出)は約24倍、前期推定配当利回り(会社予想年間9円で算出)は約1.4%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS478円21銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約66億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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