京写の今期20年3月期連結業績予想は増収増益と回復基調へ

■新中期経営計画では2024年3月期に売上高320億円、営業利益15億円を目指す

 プリント基板の京写<6837>(JQS)は、19年3月期の減収減益から今期20年3月期は増収増益を見込む。

 19年3月期は、国内売上は、プリント配線板事業で自動車関連分野やLED照明等の家電製品と液晶テレビ等映像関連分野の受注が好調に推移し、実装関連事業では、実装事業で航空機関連やノートパソコン向けの受注が好調であったことから前年同期を上回った。しかし、海外では中国で事務機分野の受注は増加したものの第4四半期に入り取引先の急激な在庫調整により家電製品やアミューズメント関連の受注が減少した。またインドネシアでも在庫調整の影響を受け、LED照明等の家電製品の需要が減少し、前年同期を下回った。

 利益面では、主材料価格の上昇に対応した製品価格の適正化は進展したものの、国内需要に対応するため増加した外注費等や主に海外での第4四半期からの急激な在庫調整の影響を受けたことで、減益となった。

 その結果、19年3月期連結業績は、売上高210億35百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益4億98百万円(同13.9%減)、経常利益4億71百万円(同23.4%減)、純利益2億93百万円(同37.0%減)となった。

 減益となった要因は、第4四半期に入り国内外の取引先で急速な在庫調整が進んだことで需要減少が顕著となったことが挙げられる。そのため、3月15日には当初業績予想の大幅な下方修正となった。また、事業環境も大きく変化したことから、これまでの中期経営計画を見直すこととなった。

 20年3月期については、ベトナム生産拠点の早期立上げ準備とグローバルマーケティングを活用した戦略的営業を推進し、成長分野へ拡販、新製品の販売強化及び自動化、IT化による業務効率化を推進するとしている。

 その結果、20年3月期連結業績予想は、売上高215億円(前期比2.2%増)、営業利益5億円(同0.2%増)、経常利益4億80百万円(同1.9%増)、純利益3億円(同2.2%増)と増収増益を見込む。

 なお、事業環境の変化に対応し、中期経営計画(2017年3月期から2021年3月期)の見直しを行い、2020年3月期から2024年3月期までの新たな中期経営計画を策定した。

 ちなみに、新中期経営計画の計画目標は、最終年度の2024年3月期に売上高320億円、営業利益15億円、営業利益率4.7%、ROE(株主資本利益率)10%としている。

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