【編集長の視点】加賀電子は続落も富士通エレの通期寄与を先取りし5月14日の決算発表期待で下値買い交錯

編集長の視点

加賀電子<8154>(東1)は、10連休明け後の初立会日となる前日7日に54円安の1994円と続落して引けた。米中貿易摩擦再燃懸念で日経平均株価が、335円安と急続落し、東証1部全銘柄の約7割が値下がりする影響を受け同社株もツレ安した。ただ、高寄りしたあと、取引時間中の安値からは小戻して引けており、心理的はフシ目の2000円大台割れでは下げ渋る動きを示した。今年5月14日に予定している3月期決算発表を先取りし、買収した富士通エレクトロニクスが通期寄与する2020年3月期業績への期待を高めて、下げ過ぎ訂正買いが交錯した。また同社の50億円ファンドで出資したギークス<7060>(東マ)が、今年3月20日に新規株式公開(IPO)され公開価格1930円に対して2900円で初値をつけストップ高を交えて上場来高値5430円まで2.8倍の大化けを演じ、連休明け後の7日も、120円高の4340円と変わらずを含めて4営業日ぶりに急反発したことも、成長戦略を加速させるとして側面支援材料視されている。

■富士通エレ買収で業界2位に躍進し前期第4四半期から連結決算に寄与

 富士通エレクトロニクスは、加賀電子と同業の富士通系のエレクトロニクス商社で、業界4位の富士通エレと同7位の加賀電子の売り上げを合算すると4946億円に達して業界トップ企業にあと100億円弱に迫る業界2位に躍進し、世界に通用する企業となってグローバル競争に勝ち残る経営体制を確立させた。富士通エレの株式取得総額は205億4300万円で、買収の第1段階として今年1月に同社株式を70%取得し、2020年12月28日に85%、2021年12月28日に100%の株式取得を予定しており、大型買収などの成長戦略を推進する中期経営計画では、最終年度の2022年3月期に売り上げ5000億円、営業利益130億円の達成を見込んでいる。

 富士通エレの業績寄与は、前2019年3月期第4四半期(2019年1月~3月期、4Q)決算から始まっており、続く今2020年3月期は、通期寄与が予想され、さらに2020年12月に第2段階の買収が予定され上乗せ要因となる。5月14日に開示予定の2019年3月期業績は、純利益が、73億円(前期比12.5%増)と2006年3月期の過去最高(72億7200万円)を13期ぶりに更新すると予想されており、2020年3月期の業績ガイダンスとともに関心を高めている。

 なお、50億円ファンドは、ユニークな技術・製品、ビジネスモデルを展開しているベンチャー企業に相次ぎ出資するために創立50周年を記念して設定され、新規出資が相次いでおり、ギークスの高IPO人気など、これも新規事業創出による成長戦略の加速要因として期待されている。

■前期予想ベースでもPERは7倍台、PBRは0・7倍と割り負け2000円台割れは買いチャンス

 株価は、ギークスのIPO承認に次世代蓄電デバイスを開発するベンチャー企業・スペースリンク(神奈川県川崎市)への出資が続いて2208円高値まで買い進まれ、2166円で配当権利を落とした。権利落ち後は、2079円安値は売られ過ぎとして年初来高値2252円まで買い戻されたが、10連休を控えてポジション調整の売り物に押されて往って来いとなった。前期予想ベースでもPERは7倍台、PBRは0.7倍、配当利回りは3.76%と割り負けており、心理的なフシ目の2000円大台割れは絶好のチャンスとして逆張りが再燃、年初来高値奪回から一段の上値チャレンジが有力となる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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