アスカネットは調整一巡、19年4月期利益横ばい予想だが上振れ余地

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 アスカネット<2438>(東マ)は遺影写真加工と写真集制作を主力として、葬祭市場をIT化する「葬Tech」を推進している。19年4月期利益横ばい予想だが上振れ余地がありそうだ。そして20年4月期の収益拡大も期待される。空中結像エアリアルイメージング(AI)事業の樹脂製ASKA3Dプレートについては、月産3000枚程度の生産能力を有する第1段階の量産化に移行する。本格量産・収益化への期待が高まる。株価は急伸した4月の年初来高値から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。なお6月11日に19年4月期決算発表を予定している。

■写真加工関連を主力として、空中結像AIの事業化を推進

 葬儀社・写真館向け遺影写真加工のメモリアルデザインサービス(MDS)事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集制作のパーソナルパブリッシングサービス(PPS)事業を主力としている。既存分野では葬祭市場をIT化する葬Tech、新規分野では空中結像ASKA3Dプレートのエアリアルイメージング(AI)の事業化を推進している。18年4月期の売上構成比はMDS事業42.8%、PPS事業55.4%、AI事業1.8%だった。

 17年2月人工知能搭載ソーシャルロボット「unibo」を開発・製造するユニロボットと資本業務提携、18年3月全身高速3Dスキャナーおよび3Dデータ処理システム開発・製造のVRC社と資本業務提携した。

■葬祭市場をIT化する葬Tech推進

 MDS事業は葬儀関連、PPS事業はウエディング・卒業・入学イベント関連などが主力市場である。いずれも景気変動の影響を受けにくい特性や、下期の構成比が高い季節特性がある。

 MDS事業は1992年に国内初となる遺影写真デジタル加工・出力を開始し、現在は約2450ヶ所の葬儀社向けに年間約35万件の写真画像を提供している。葬儀は年間約110万件施行されているため市場シェアは約30%(1位)となる。18年11月には遺影加工実績が累計500万件を突破した。

 葬祭市場における豊富な顧客基盤(葬儀社)を活用し、ASKA3Dプレートを用いた「飛鳥焼香台」や「おうち供養Omokage」の拡販、葬儀社・喪家・会葬者を繋ぐ新サービス「tsunagoo」の浸透など、葬祭市場をIT化する「葬儀×TECH=葬Tech」を推進している。

 PPS事業はオリジナル写真集をインターネットで受注・製作するサービスで、約4050ヶ所の写真館向けなどOEMを含めて年間約178万冊を提供している。プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」と一般消費者向け「マイブック」を主力として、NTTドコモ<9437>のフォトブック印刷サービス「dフォト」にフォトブック・プリント商品を独占供給するOEMも急拡大している。

 なお需要拡大に対応するため、本社隣地を取得して生産ライン増強の準備を進めている。また19年2月には、NTTドコモが台湾で展開するフォトブックサービスOEM提供において、フォトブック商品の供給と発送を担当すると発表した。

■樹脂製ASKA3Dプレートは国内外約200社にサンプル販売

 空中結像のAI事業は、プレートだけで空中ディスプレイが可能となるシンプルな構造を特色として、サイネージ、車載、医療、操作パネル、飲食、アミューズメントなど多方面の業界・業種から注目されている。18年1月にはサービスブランドをASKA3D、プレート名をASKA3Dプレートに統一し、本格量産(ファブレス形態で製造、自社ブランドで販売)を目指している。

 高品質の空中結像を可能にする小ロット向けの大型ガラス製プレート、および大ロット向けに低コストでの供給が可能な樹脂製プレートの開発・製造・販売を進めている。18年11月リリースした新バージョンの樹脂製ASKA3Dプレートは、国内外合計約200社にサンプル販売し、顧客側で組込製品化の検討を進めている。

 生産面では19年5月、一定水準以上の品質の安定と歩留まりの向上を実現できたため、月産3000枚程度の生産能力を有する第1段階の量産化に移行すると発表した。そして一部工程の生産設備を増強することで、比較的容易に生産能力を月産1万枚程度に拡大できるとしている。本格量産・収益化への期待が高まる。

■19年4月期利益横ばい予想だが上振れ余地

 19年4月期の非連結業績予想は売上高が18年4月期比3.5%増の61億11百万円、営業利益が2.2%増の8億06百万円、経常利益が1.9%増の8億11百万円、純利益が1.8%増の5億67百万円としている。配当予想は18年4月期と同額の年間10円(期末一括)で、予想配当性向は29.7%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.6%増の46億76百万円、営業利益が15.7%増の6億99百万円、経常利益が14.9%増の7億02百万円、純利益が16.1%増の4億79百万円だった。

 MDS事業は1.6%増収、3.3%減益だった。売上高が微増にとどまり、画像処理部門の人員増に伴う人件費の増加、運賃値上げによる発送配達費の増加などで減益だった。PPS事業は8.5%増収、15.9%増益だった。売上面ではOEM供給が伸長し、プロフェッショナル写真家向け、一般消費者向けも堅調だった。利益面では稼働率上昇効果や広告宣伝費・販売促進費コントロール効果も寄与した。AI事業は5.3%増収で赤字が縮小した。

 通期のセグメント別売上高計画は、MDS事業が2.9%増の25億99百万円、PPS事業が2.2%増の33億43百万円、AI事業が43.0%増の1億69百万円としている。MDS事業は遺影写真加工収入の着実な積み上げや葬儀演出ツールの伸長を見込むが、人件費率を高めに想定して利益横ばい計画である。PPS事業は売上面でOEMを中心に保守的な計画とし、減価償却費、人件費、送料負担の増加で減益計画としている。AI事業は開発費が増加するが、樹脂製ASKA3Dプレートのサンプル販売などの増収効果で赤字が縮小する見込みだ。

 第3四半期累計が2桁増益となり、通期予想に対する進捗率も売上高76.5%、営業利益86.7%と順調である。通期利益横ばい予想だが、上振れ余地がありそうだ。そして20年4月期の収益拡大も期待される。

■株主優待制度は毎年4月末の株主対象

 株主優待制度は毎年4月30日現在の株主に対して、所有株式数に応じて自社サービス(マイブック)割引利用券を贈呈している。

■株価は調整一巡

 株価は急伸した4月の年初来高値1957円から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。5月23日の終値は1483円、前期推定PER(会社予想EPS33円74銭で算出)は約44倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は約0.7%、前々期実績PBR(前々期実績BPS297円45銭で算出)は約5.0倍、時価総額は約259億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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