【どう見るこの相場】NYダウは大幅続伸も「8月の大きな発表」までのトランプ・リスクの猶予期間は足元の梅雨入り関連株に独自相場を期待

どう見るこの相場

 令和相場は、厳しいスタートとなった。まさに米国の相場格言の「Sell in May,and Go away(5月に売り逃げろ)」の通りとなった。歓迎ムードがいっぱいだった史上最長の10連休明け後からいきなりの株価続落で、終わってみれば5月相場は、日経平均株価が1657円安、7%超も下げ、フシ目の2万1000円台を割った。投資家各位が、格言のアドバイス通りに無事に逃げ切れたのか、それともハシゴを外されて高値で取り残される結果となったのか、はなはだ心配になる。
幸いなことに前日4日の米国株は、ニューヨーク工業株30種平均(NYダウ)が、512ドル高と今年2番目の上げ幅で大幅続伸して帰ってきて、日経平均株価先物も、夜間取引で370円高と大幅高となった。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の利下げ示唆発言が引き金となったもので、きょう5日は、先物主導でどこまで日本株が戻せるか試すことになるはずだ。その勢いで「Sell in May」の後遺症が雲散霧消してくれれば、市場参加者全員がハッピーとなるが、なかには戻り売り優先と考える投資家も少なくないはずだ。

 というのも「Sell in May」は、米国のトランプ大統領に始まって同大統領によって終わったからだ。同大統領が、大型連休中に中国への制裁関税第3弾の25%への引き上げをツイートしたのが発端で、5月30日には今度は不法移民流入に対する対策が不十分としてメキシコに5%の追加関税を課すと言及しさらに下げに拍車を掛けた。一目散に大統領再選を目指してあたりを構わずバッタ、バッタと斬りまくるそれこそトランプ・リスク相場そのものであった。リスク回避で安全資産の国債が買われて米国の長期金利が低下、日米金利差の縮小で急速な円高・ドル安まで進んだ。4日の米国株は大幅続伸したが、トランプ大統領の不規則なツートとパウエル議長の利下げ示唆発言との「マッチ・ポンプ関係」から「リスクオフ」と「リスクオン」が交錯し、またいつ何時、株価がひっくり返らないとも限らないと警戒されるファクターがあるからだ。

 この米国の相場格言には後段がある。「don’t come back until St leger day(セント・レジャー・デイまで戻ってくるな)」と続くのである。セント・レジャー・デイとは、9月の第2土曜日を指しており、その間、閑散商状の続く夏相場を挟んで相場らしい相場が期待できないと示唆しているのである。今回のトランプ・リスク相場にこの相場格言の後段も当てはまるのだろうか?当てはまるとしたら、それこそ「Sell in June,and Go away(6月も売り逃げろ)」とるのではないかと疑心暗鬼に捉われることも想定されるのである。

 国内の政治日程でも、6月26日に今通常国会の会期末を迎え、6月26日にはG20(20カ国・地域)首脳会議、7月21日前後に予定される参議院議員選挙は、衆議院選挙とのダブル選挙となるか流動的で、トランプ・リスクを押し返せるかはなはだ心許ない。

 ただこと東京市場に関しては、令和初の国賓として来日し、大相撲夏場所の優勝力士に千秋楽の土俵に上がって大統領杯を贈るサービスまでしたトランプ大統領が、日米首脳会議後に「8月に大きな発表がある」と発言し、中国やメキシコとはやや異なる対日柔軟姿勢も窺わせた。対日要求は、7月の選挙後まで待つとして、日本側に貸しをつくるディール(取引)そのものであることは目にみえている。しかし、この発言通りになるとすれば、東京市場は、6月、7月とトランプ・リスクの猶予期間入りとなることになる。となれば、この6~7月相場では、銘柄によっては独自の動きをする個別株が出てくる可能性も想定される。

 そこで今週の当コラムは、この候補株として折から平年では6月8日が関東甲信地方の梅雨入りとなる関連株を取り上げてみることとした。きょう5日の全般リバウンド相場のなかでやや消去法的な投資スタンスとなるが、小型株で内需系の銘柄が中心となるだけに、6~7月の猶予期間中には「トランプ・リスク相場」の圏外で一回転も二回転もしてくれることを期待したい。

■定番の雨傘、雨靴、除湿剤に加え洗濯難民向けのコインランドリー株をマーク

 梅雨入り関連株の定番銘柄は、雨傘、雨靴などの関連グッズ株が定番株となっている。しかしここでは、梅雨入りとともに増加が予想される洗濯難民関連のコインランドリー株をまず注目したい。浮上するのが、WASHハウス<6537>(東マ)で、全国に555店舗展開しているコインランドリーチェーン店「WASHハウス」での需要拡大につながる。ただし前2019年2月期業績は、昨年の西日本豪雨や台風上陸の影響でFC(フランチャイズ)店の拡大が計画を下回ったことから下方修正されており、ほどほどの梅雨前線の活動が望ましい。今年3月には災害時用のWASHハウス移動ランドリー車の開発を発表し、同じく洗剤の生産拠点を建設する工場用地を取得したこと、さらに4月1日に施行された働き方改革関連法の需要拡大効果も合わせて評価されよう。近似業態のクリーニング株のきょくとう<2300>(JQS)や白洋舎<9731>(東1)への波及も期待させることで、とくにきょくとうは、「無人お渡しシステム」設置店舗を拡大させていることが、関連度を高めそうだ。

 定番銘柄では、雨傘のムーンバット<8115>(東1)、雨靴のシューズ量販店のエービーシー・マート<2670>(東1)、チヨダ<8185>(東1)、除湿剤の花王<4452>(東1)、ライオン<4912>(東1)、エステー<4951>(東1)、制汗剤・消臭剤の小林製薬<4967>(東1)、屋内型レジャーのアミューズメント施設運営のイオンファンタジー<4343>(東1)、ボーリング場運営のラウンドワン<4680>(東1)、バッティングセンター運営の共和コーポレーション<6570>(東2)などがクローズアップされることになる。

■不幸にも梅雨前線が線状降水帯に発達なら災害復旧・復興関連株に出番

 想像したくはないが、万が一、梅雨前線が、昨年7月の西日本豪雨のように異常気象によって線状降水帯に発達して大規模災害が発生する場合は、復旧・復興工事関連株に買い余地が生まれる。復旧工事関連株では、ショベルの浅香工業<5962>(東2)、土のうのコンドーテック<7438>(東1)、前田工繊<7821>(東1)、ポンプの鶴見製作所<6351>(東1)、建機レンタルのワキタ<8125>(東1)、カナモト<9678>(東1)、西尾レントオール<9699>(東1)、法面補強工事のライト工業<1926>(東1)、気象予報のウェザーニューズ<4825>(東1)などが、まず出番となる。

 復興工事関連では仮設建物の三協フロンテア<9639>(東1)、ナガワ<9663>(東1)、東海リース<9761>(東1)、地盤改良工事の地盤ネットホールディングス<6072>(東マ)、航空・ドローン測量のパスコ<9232>(東1)、アジア航測<9233>(東2)、自律制御システム研究所<6232>(東マ)、インフラ整備の支援コンサルティングのいであ<9768>(東1)などにも買いが回りそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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