【編集長の視点】富士通ゼネは4連騰、業績再上方修正に連続増配がオンして割安修正買いが増勢

編集長の視点

富士通ゼネラル<6755>(東1)は、82円高の1353円と4営業日続伸して始まり、8月21日に付けた年初来高値1491円を視界に捉えている。前週末24日大引け後に今3月期第2四半期(2Q)累計決算の開示に合わせて、今度は3月通期業績を上方修正し最高純利益を伸ばして市場コンセンサスを上回り、配当も連続増配することから割安修正買いが増勢となっている。

■2Q純利益が上方修正値を13億円上ぶれ下期に新機種を投入

3月通期業績は、2Q累計業績が、今年7月25日の上方修正値を大きく上回りV字回復をいっそう鮮明化したことから上方修正された。売り上げは、期初予想の2700億円(前期比11.8%増)の据え置きとしたが、営業利益、経常利益を各40億円、純利益を20億円引き上げ、営業利益は250億円(前期比20.8%増)、経常利益は250億円(同22.5%増)、純利益は160億円(同21.0%増)と大きく続伸する。純利益は、前期の過去最高を更新する更新幅を伸ばすとともに、市場コンセンサスを約15億円上回る。

2Q累計の国内の空調機部門では、エアコンが、消費税増税前の駆け込み需要の反動減が響いて5.3%減となったが、海外では、フランス向けのエアコンや新築住宅用のATW(ヒートポンプ式温水暖房システム)の堅調推移、米州向けの省エネ機器の拡販、アジアでの商品ラインアップ強化などで9.7%増と伸び、情報通信システムも、デジタル消防無線システムの納入が順調に進展、全社的なコストダウンや費用効率化にも取り組み、2Q累計利益が、7月の上方修正値を12億円~16億円上ぶれて着地しており、下半期も、各地域向けに新機種を投入することなどから通期業績を上方修正した。

配当は、中間配当(2Q)、期末配当とも期初予想の各7円を8円に引き上げ、年間16円(前期実績14円)と連続増配する。

■高値調整幅の3分の1戻し水準からPER8倍台の割安修正へ再発進

株価は、7月の2Q累計業績上方修正に猛暑特需期待で窓を開けて年初来高値1491円まで急伸、天候不順や全般相場乱調の波及で窓を埋めて1124円と調整、この調整幅の3分の1戻しとなる25日移動平均線をクリアしたところである。PER8倍台の割安修正で半値戻し、全値戻しとリバウンド幅を拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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