エスプールの第2四半期業績は前期赤字の2事業も黒字化し営業利益65%増加

■主力の人材アウトソーシング、障がい者雇用支援サービスは好調続く

 企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスや人材派遣などを行うエスプール<2471>(東2)の2019年11月期・第2四半期の連結業績(2018年12月~19年5月、累計)は、利益面を中心に計画を大きく上回る好業績で着地し、売上高は前期比20.8%増加して82.96億円となり、営業利益は同64.8%増加して7.63億円となった。障がい者雇用支援サービスには「全国の自治体からも問い合わせなどがある」(浦上壮平会長兼社長)という。

■売上高は21%増加、東証1部への市場変更を7月3日付で申請

 主事業の人材アウトソーシング、障がい者雇用支援サービスの売上高が各々同21%、44%増加したほか、これらを含む全6事業のうち、前期赤字だった2事業(物流関連のロジスティクスアウトソーシングサービス、採用支援サービス)が抜本的な対応などにより黒字化した。親会社株主に帰属する四半期純利益は同63.8%増加して4.96億円となった。

 なお、東証1部への市場変更を7月3日付で東証に申請し、要件を満たす目的で立会外分売を行うとした。

■通期計画は据え置くが、下期の積み上げ動向を見ながら勘案

 シニアや障がい者など、潜在労働力の活用を支援するサービスは、(株)エスプールプラスが、障がい者雇用を希望する企業に同社が運営する農園を貸し出し、主に知的障がい者を企業が直接雇用し、収穫した野菜を従業員の健康促進に役立てる福利厚生プログラムの提供を行っている。

 この第2四半期累計期間は、この農園の早期開設が進んだことで、相対的に利益率の高い設備販売を前倒しすることができた。その結果、上期の販売実績は430区画となり、期初計画の292区画や前年同期実績の306区画を大幅に上回った。

 11月通期の見通しは、ロジスティクスアウトソーシングサービスで再成長に向けた営業強化、受注済み案件の早期稼働などに努めるほか、障がい者雇用支援サービスは引き合いなどが好調なため、販売区画数を通期で880区画(下期450区画)として下期を増やしつつ、「どの案件も忙しいからといって『雑』にならないよう、今以上に『質』の向上につとめる」(浦上会長兼社長)。

 通期の業績計画は据え置き、下期の積み上げ動向を見ながら見直す場合には見直すとし、連結業績見通しは、売上高を170.66億円(前期比15.3%の増加)、営業利益を12.60億円(同28.1%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は8.11億円(同31.0%の増加)、1株利益は51円43銭とした。

 売上高は8期連続、営業利益は5期連続の増加となり、前期に続いて最高を更新することになる。(HC)

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