トレジャー・ファクトリーは上値試す、20年2月期2Q累計上方修正で通期も上振れの可能性

日インタビュ新聞ロゴ

 トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。20年2月期営業・経常利益横ばい予想だが、第1四半期が大幅増益となり、第2四半期累計予想を上方修正した。通期も上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は急伸して17年12月の戻り高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■リユースショップを展開

 総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。

 19年6月末時点の店舗数は、グループ合計186店舗(タイの3店舗を含むトレジャー・ファクトリー65店舗、トレファクスタイル50店舗、トレファクスポーツ5店舗、ユーズレット5店舗、ブランドコレクト2店舗、トレファクマーケット1店舗、16年9月子会社化したカインドオル39店舗、18年3月子会社化したゴルフキッズ19店舗)である。7月12日には東京・表参道に、ラフジュアリーブランド専門店「ブランドコレクト表参道店」をオープンした。

 中期成長戦略として、リユース事業の成長(年間15店舗前後の新規出店、買取の強化、EC販売の拡大)、M&Aによる成長、海外市場での成長(タイのバンコクで多店舗展開モデルを構築して収益化、他国への展開)、新規事業への投資(トレファク引越やECドレスレンタル「Cariru」事業への投資継続)を推進している。

 なおEC事業の本格展開やビッグデータを活用した新規ビジネスの創出に向けて、19年1月システム開発のデジタルクエストを子会社化した。

■20年2月期1Q大幅増益で2Q累計上方修正、通期も上振れの可能性

 20年2月期の連結業績予想は、売上高が19年2月期比11.3%増の197億41百万円、営業利益が0.4%増の9億09百万円、経常利益が0.2%減の9億48百万円、純利益が10.8%増の6億26百万円としている。配当予想は19年2月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は28.9%となる。

 新規出店は15店舗前後、単体既存店売上は101%を目指し、既存店売上総利益率も19年2月期と同程度を見込むが、物流センター増床や新規出店に伴う費用増加など、先行投資で営業・経常利益横ばい予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.0%増の47億46百万円で、営業利益が26.5%増の3億87百万円、経常利益が26.4%増の3億98百万円、純利益が36.2%増の2億65百万円だった。

 売上面では既存店売上(単体)が103.7%と好調だった。販売価格見直しや高単価の生活家電の増加などで客単価が上昇した。新規出店(3店舗)も寄与した。利益面では単価上昇や原価適正化などで売上総利益率が改善(0.5ポイント上昇)した。

 第1四半期の好調を受けて第2四半期累計予想を上方修正した。通期予想は据え置いたが保守的だろう。既存店売上は好調に推移している。通期予想も上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

 月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、19年6月は全店107.8%、既存店104.7%だった。既存店売上は10ヶ月連続の前年比プラスだった。生活家電や衣料などが好調だった。新規出店は0店舗、退店は0店舗で19年6月末時点の店舗数は125店舗だった。

■株主優待制度は2月末の株主対象

 株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は第2四半期累計上方修正を好感して7月12日に1068円まで急伸した。そして17年12月の戻り高値1105円に接近している。上値を試す展開を期待したい。7月12日の終値は1036円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS55円32銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS378円68銭で算出)は約2.7倍、時価総額は約120億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る