【編集長の視点】ヨコレイ(横浜冷凍)は年初来高値更新、積極的な物流センター投資が続き中期計画を見直して割り負け修正

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、前日17日に21円高の1070円と4営業日続伸して引け、7月4日につけた年初来高値1055円を更新した。同社株は、今期に入って積極的な物流センター投資を続け、来年2020年に次々と竣工予定にあることから、2020年9月期に最終年度を迎える第6次中期経営計画を見直し割り負け修正買いが増勢となった。また、今年8月中旬には今2019年9月期第3四半期(2018年10月~2019年6月期、3Q)決算の発表を予定しており、今年5月に開示した今期第2四半期(2018年10月~2019年3月期、2Q)業績が増益転換したことに反応して、株価が、年初来安値829円から底上げに転じ長大陽線包み足を示現しており、再現期待も高めている。


――――つくば物流センターなど3拠点が2020年春に相次いで竣工――――

 同社は、今期に入って昨年12月3日につくば物流センター(茨城県つくば市)の起工式を行ったのに続き、今年6月3日に子安物流センター(神奈川県横浜市)の跡地に研修施設・倉庫の起工式を行い、6月21日に「長崎ソーティングスポット(仮称)」の起工式を行った。つくば物流センターは、北関東・南関東の陸上・海上の物流拠点で、完成すると同社の国内外の収容能力は100万トンを超え、横浜の研修施設・倉庫は、人材育成と今後の戦略的なITC投資のためのシステム開発センターとすることを予定し、「長崎ソーティングスポット」は、サバなどの日本産の魚のアフリカや東南アジアへの輸出拠点として能力増強と物流効率化を実現する。

 この3拠点の竣工は、それぞれ2020年2月、同4月、同5月に予定されており、中期経営計画の達成に向け弾みをつけるとみられている。中期計画では、最終年度の2020年9月期に売り上げ1600億円、営業利益70億円、経常利益70億円、純利益45億円を目標としており、業績高成長をサポートする。

 一方、今2019年9月期通期業績は、売り上げ1500億円(前期比12.7%減)、営業利益58億円(同20.2%増)、経常利益60億円(同11.7%増)、純利益37億円(同10.7%増)と増益転換し、売り上げは、一部輸出事業の売り上げ計上基準変更のため減収となるが、純利益は、2017年9月期の過去最高(33億6000万円)の2期ぶり更新を見込んでいる。今期2Q累計業績が増益転換したのに続き、今期3Q業績が9月期通期業績に対してどのような進捗率を示すか注目されることになる。

――――長大陽線包み足を示現して3割高もPBRは0.8倍となお上値余地――――

 株価は、米中貿易摩擦激化を背景とした全般相場続落が波及して年初来安値829円に突っ込んだが、同日に発表した今期2Qの増益転換業績で長大陽線包み足を示現して底上げ、前日17日の取引時間中の年初来高値1073円まで約3割高した。PERは16倍台と市場平均を上回るが、PBRは0.81倍と割り負けており、2018年12月高値1224円を次のフシとして奪回に弾みをつけ、1株純資産1304円への意識を強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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