CRI・ミドルウェアの技術が京セラ・ライオン共同開発の新製品に採用される

新製品&新技術NOW

■ブラシを歯に当てると音楽が聴こえる子ども向け仕上げ磨きハブラシ

CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は7月18日、京セラ<6971>(東1)ライオン<4912>(東1)が共同開発した、ブラシを歯に当てると音楽が聴こえる仕上げ磨き専用ハブラシ「Possi(ポッシ)」に圧電素子音声出力技術(CRI特許技術)が採用されたと発表した。CRI・ミドルの株価前引け値は2431円(31円高)だった。

■圧電素子音声出力技術「D-Amp Driver(ダンプ・ドライバー)」が使われる

 「Possi(ポッシ)」は、「子どもが嫌がる歯磨きを楽しい時間に変える」をコンセプトに、デザイン・音楽・テクノロジーを融合させた新しい子ども向け仕上げ磨き専用ハブラシ。電気信号を振動(音)に変換する圧電セラミック素子をハブラシのヘッド部分に埋め込んだ。これにより、ブラシが歯に当たるとハブラシのヘッド部分から歯に振動(音)が伝わり、音楽などが楽しめる。

■京セラの圧電セラミック素子を駆動する制御アンプとして採用され、クリアな音声出力・省電力・小型化を実現

 ハブラシのヘッド部分に収まる京セラの小型圧電セラミック素子と、ボディに搭載されたデジタル駆動アンプにより、ヘッド部分のみが振動。歯磨きをしている間だけ音楽を楽しめるという。

 このような製品には、これまで、いわゆるスピーカー(ダイナミックスピーカー:コイルを用いたスピーカー)が使われてきたが、これでは消費電力が大きく、長時間の電池駆動は不可能だった。

 これに対し、CRI・ミドルウェアの圧電素子音声出力技術「D-Amp Driver(ダンプ・ドライバー)」は、組込みマイコンのポート出力信号(ON/OFF)のみで、高品質なサウンド再生を実現する「D-Ampシステム」(特許登録済)の中核をなすミドルウェア。圧電素子で発話させることができ、京セラの圧電セラミック素子を駆動する制御アンプとして採用され、クリアな音声出力・省電力・小型化の実現に貢献した。ダイナミックスピーカーを圧電素子に置き換えることで、コストダウンにも寄与した。

■ソニーが展開するスタートアップ支援するプログラムの社外向け第1号に

 京セラは、オープンイノベーションによる新規事業の創出を加速するため、2018年よりソニー<6758>(東1)が展開するスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラム「Sony Startup Acceleration Program(以下SSAP)」の社外向け案件第1号として、ソニー本社内に設けられた社外の新規事業プロジェクト用の専用スペースに入居し、製品開発に取り組んできた。

 このたびの開発品は、ソニーがSSAPを通じて提供するスタートアップの事業化のための体系的なノウハウや知見をベースに、京セラの有する高いセラミック技術とライオンのオーラルケア製品に関するノウハウを融合した。また、ソニーのクリエイティブセンターによるデザイン協力や、Possiをテーマとした楽曲などにより、実用性に加えてエンタテインメント性を兼ね備えた製品となっている。子どもが嫌がる歯磨きを親子で楽しめる時間に変える、新たな価値を提案する。(HC) 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る