ケイアイスター不動産の第1四半期連結決算は売上高、各利益とも最高を更新

■IT活用戦略など奏功し売上高は53%増加、営業益は41%増加

ケイアイスター不動産<3465>(東1)が8月9日午前に発表した2020年3月期・第1四半期の連結決算(2019年4~6月)は、主事業である分譲住宅事業における「不動産×IT」戦略などが着実に成果を上げ、第1四半期としては、売上高、各利益とも過去最高を更新した。注文住宅事業、中古住宅事業も好調だった。

■季節的に需要が一服する4~6月でも大幅な増収増益に

 売上高は前年同期比53.2%増加して260.09億円となった。不動産業界には季節性があり、4~6月は需要が一服する中で大幅に増加した。主事業である分譲住宅事業の成長戦略に注力を行い「豊かで楽しく快適な暮らしの創造」を経営理念に掲げ、「高品質だけど低価格」な分譲住宅の提供を引き続き推進した。

■ITにより各業務のシステム化や未来型住宅の実現を推進

 営業利益は同41.4%増加して12.83億円となった。令和元年を同社グループのIT成長元年とし、ITによる各業務のシステム化や、居住者がより快適に過ごせる未来型住宅の実現を目指すためのIT活用の研究、などを推進。土地の仕入れから売上までの期間を短縮することによる回転期間を重視した経営や、工期短縮や工程改善などによるコスト低減を推進するとともに物件の早期販売や工期短縮による回転期間短縮にも努めた。

 営業外では、土地取得資金の調達にともない支払利息の増加があったが、親会社株主に帰属する四半期純利益は同45.1%増加して7.15億円と大幅な増益を実現した。

 同社は、「よかタウン事業」として、福岡県を中心に分譲住宅販売、土地販売および注文住宅販売を行うほか、神奈川県を中心とする「旭ハウジング事業」「建新事業」、千葉県を中心に展開する「フレスコ事業」も展開し、それぞれ好調に推移した。

 今期は、7月に「グループ統括生産企画部」を設置し、ITの活用をよりスピーディに事業に役立てる体制を整えた。前期に人手不足などを受け、用地の仕入れは好調に推移していたにもかかわらず、業務配分などに手間取って生産遅延が発生したことを教訓とする。また、同月には、同社グループのFC(フランチャイズ)加盟店「KEIAI FC」向けに不動産業務を支援するクラウドサービスを発表し、FC加盟店事業の拡大も進めている。

 今3月期の連結業績予想については、5月に発表した期初の予想を継続し、売上高は1180億円(前期比14.4%の増加)、営業利益は64億円(同7.6%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は38億円(同9.8%の増加)、1株利益は267円77銭。通期でも売上高、各段階の利益は過去最高を更新することになる。(HC) 

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