ソフトクリエイトホールディングスは上値試す、20年3月期1Q減益だが通期増益予想

 ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)は、ECサイト構築ソフトや不正接続防止製品を主力としてソリューション事業を展開している。20年3月期第1四半期は減益だったが、通期増益予想である。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は8月1日の年初来高値から反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■ECサイト構築ソフトと不正接続防止製品が主力

 ECソリューション事業(ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・保守から、ECサイト構築・運用支援、データセンターでのホスティングサービス提供、ECプロモーション提供までの総合サービス)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフトの販売、基幹系システムの受託開発)および物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。

 連結子会社はソフトクリエイト、ecbeing、エイトレッド<3969>である。17年11月にはソフトクリエイトが、監視システム開発やシステムコンサルティングなどを展開するY2Sを持分法適用関連会社とした。18年4月には、オウンドメディア支援事業やコンテンツマーケティング支援事業を展開するエートゥジェイを子会社化した。

 ecbeingの国内ECサイト構築実績は1100サイトを突破し、富士キメラ総研社「富士マーケティング・レポート」ECサイト構築ソリューション市場占有率において10年連続シェア1位を獲得している。18年6月にはクラウド型ECプラットフォーム「mercart」を開始した。SI事業ではセキュリティ製品「L2Blocker」が、不正接続防止ツール市場における累計導入社数で第1位を獲得している。

 19年3月期のセグメント別売上構成比はECソリューション事業46%、システムインテグレーション事業27%、物品販売事業27%、経常利益構成比(連結調整前)はECソリューション事業50%、システムインテグレーション事業48%、物品販売事業1%だった。ECサイト構築実績の積み上げに伴う運用支援・保守などストック型収益が拡大基調である。

■20年3月期第1四半期減益だが通期増益予想

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比6.4%増の206億円、営業利益が6.5%増の20億10百万円、経常利益が4.6%増の21億円、純利益が4.2%増の12億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で、予想配当性向は21.9%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比27.7%増の51億38百万円、営業利益が28.8%減の3億27百万円、経常利益が22.1%減の4億14百万円、純利益が32.5%減の2億57百万円だった。販管費の増加で減益だったが、需要が高水準に推移して大幅増収だった。

 通期はECソリューション事業、システムインテグレーション事業とも需要が高水準に推移して増収増益予想である。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回

 株主優待制度は毎年3月31日および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は保有株数および保有期間に応じてオリジナルQUOカードを贈呈する。

■株価は上値試す

 5月15日発表の自己株式取得(上限10万株・1億50百万円、取得期間19年5月16日~19年7月31日)は7月10日時点で累計取得株式数が9万6200株となって終了した。

 さらに7月10日には新たな自己株式取得(上限10万株・1億80百万円、取得期間19年7月11日~19年10月31日)を発表した。7月31日時点での累計取得株式数は1万4000株となっている。

 株価は8月1日の年初来高値1796円から反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。8月9日の終値は1637円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS91円44銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS713円40銭で算出)は約2.3倍、時価総額は約225億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る