メディカル・データ・ビジョンの第2四半期業績は「データ利活用サービス」牽引し大幅黒字化

■営業最高益だが戦略事業の「CADA-BOX(カーダボックス)」拡大には時間も

メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)の2019年12月期・第2四半期連結決算(19年1~6月累計)は、医療ビッグデータ(診療情報)を分析して提供する「データ利活用サービス」の売上高が前年同期比40.3%増加するなどで、連結売上高は前年同期比21.3%増の17.86億円となり、営業利益は2.70億円となり前年同期比で黒字に転換。売上高、営業利益は、第2四半期としての過去最高を更新した。親会社株主に帰属する四半期純利益も黒字に転換し1.73億円となった。

■「データ利活用サービス」は40%増加し「データネットワークサービス」は2%増加

 同社の事業は、「データネットワークサービス」と「データ利活用サービス」の2つの柱で構成されており、「データ利活用サービス」を行うために「データネットワークサービス」により医療・健康情報を集積する形になっている。当第2四半期は「データ利活用サービス」が業績を牽引する形になり、その土台ともいうべき「データネットワークサービス」の売上高は同1.5%の増加だった。

■「CADA-BOX」もう少し導入が増えれば「爆発的普及期」に移行も

 今期は、2つの大きな事業目標を掲げており、一つは、「データネットワークサービス」の中の次世代戦略システムである「CADA-BOX」(カーダ・ボックス:患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と医療費の後払いサービス「CADA決済」を電子カルテと連携させた病院向けITシステム)の受注拡大。もうひとつは、医師ネットワーク事業の子会社Doctorbook(ドクターブック)などの重点子会社の黒字化、だ。

 この2大目標のうち、「CADA-BOX(カーダ・ボックス)」の受注拡大については、期初に今期の新規受注目標を22病院としたが、第2四半期累計期間での新規受注は2(1病院+1団体)にとどまった。第2四半期末での累計導入数は8病院(稼動済み:7病院、稼動準備中:1病院)+1団体。患者側の利便性をも大きく向上させた革新的ITシステムのため、もう少し導入数が増えれば「爆発的普及期」に発展するとみられるが、調査筋からは、それにはまだ時間を要するとの見方が出ている。

 今期・19年12月期の連結業績見通しは従来予想を据え置き、売上高は42.50億円(前期比18.8%の増加)、営業利益は5.00億円(同42.2%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は2.79億円(同約4倍)、1株利益は6円98銭。

 「CADA-BOX」の展開状況は、現段階では目標から果てしなくかけ離れている状態だが、それだけに、進展が見られれば株価にとっても大きな支援材料になる可能性がある。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る