【木村隆の相場展望】海外勢の売りが続くも国内勢の買いが続き、堅調な相場

株式市場

(4月20日~4月24日)

 日経平均は2万円の大台を回復してから伸び悩んでいるが、健全な調整の範囲内と言えそう。海外勢などの利益確定売りは続きそうだが、公的マネーが支える構図は変わらない。指数が高値圏を維持するなか、個別銘柄ではリターンリバーサルの動きが強まる見通しだ。一方、米企業決算やギリシャ情勢などの海外要因に対し警戒する声も出ている。

 足元では年初来の物色動向に変化が出始めている。東証業種別株価指数でみると、4月第2週(4月13─17日)の騰落では、値下がり率トップ3は食料品、小売、サービスとなった。この3業種は年初来でTOPIXを4ポイント以上アウトパフォームし、相場のけん引役となっていたが、一転して利益確定売りが強まった格好だ。

 半面、4月第2週の値上がり率上位には石油・石炭製品や鉱業など原油関連株や、鉄鋼、非鉄金属など素材株が並ぶ。いずれも年初来で大きく出遅れていた銘柄だ。海外ヘッジファンドなどがこれまで買い越してきた銘柄を売り越し、出遅れ銘柄に入れ替えているようだ。

 これまで買われていた高ROEの値がさ株が軒並み下がっているが、円強含みのなか自動車株が買い戻されたり、銀行株が物色されたりするところをみると、大きく下げる感じはしない。ただ、日本株が高値圏を保つには海外情勢が落ち着いていることが前提だ。本格化する米企業決算では、銀行などは堅調な決算が見込まれているものの、製造業はドル高の影響が懸念され、米国株が下押すようだと日本株への影響は避けられない。また「ギリシャに対する警戒感も払しょくされず、リスク要因として意識されるという。(株式評論家)

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