【編集長の視点】トーセは反落も8月期期末を前に高配当利回り買いで下げ渋り業績続伸観測もフォロー

トーセ<4728>(東1)は、前日21日に9円安の823円と3日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、58円安と3日ぶりに反落し東証第1部の売買代金が、3日連続の1兆6000億円割れと薄商いで様子見ムードを強めるなか、同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値は、8月期期末接近とともに年間配当を25円と安定継続していることを手掛かりに高配当利回り買いが続いて限定的となった。業績的にも今2019年8月期業績が増益転換と予想され、次期2020年8月期業績も大型開発受託案件の寄与で続伸が観測されていることが、フォローの材料視されている。

■大型プロジェクト案件が2019年8月期・2020年8月期の業績を押し上げ

 同社の今8月期業績は、売り上げ53億2700万円(前期比17.9%増)、営業利益2億7100万円(同18.6%増)、経常利益3億3200万円(同24.2%増)、純利益1億9200万円(同2.4%増)と予想され、2期ぶりに増収増益転換する。開発タイトル数では、スマホ向けが12タイトルに増加し、大型プロジェクト案件も、3億円以上の案件が前期の1案件から3案件へ、1億円以上の案件が同7案件から8案件に各増加することなどが要因となる。年間配当は、25円(前期実績25円)と安定継続を予定している。

 このスマホ向けの大型案件プロジェクトは、次期2020年8月期業績も押し上げ、東洋経済会社四季報最新号では、次期について売り上げ57億円、営業利益3億円、経常利益3億5000万円、純利益2億円と観測されている。

■配当利回りは市場平均を上回ってインカム・ゲイン妙味を示唆し値幅効果も期待

 株価は、今年2月に開発を担当したNintendo Switch版「ドラゴンクエスト ライバルズ」の配信が開始されたことをテコに年初来高値1034円まで買われ、今年5月に5G(次世代移動通信システム)関連の開発体制強化を公表したことを受けてストップ高、964円高値まで人気化する場面があったが、再三にわたる世界同時株安の影響で25日移動平均線の800円台を出没する動きが続いた。年間配当利回りは、3.03%と東証第1部全銘柄平均の2.15%を上回りインカム・ゲイン妙味を示唆しており、期末のこの配当権利取りとともに株価の値幅効果も期待され、ストップ高でつけた964円抜けから年初来高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る