【新規上場(IPO)銘柄】ヤシマキザイは中長期で注目度は高い、1800円割れで下値を固めるか注目

株式市場 IPO 鐘

 ヤシマキザイ<7677>(東2)は、本年6月26日に東京証券取引所市場第二部に上場。同社グループは、同社と、物流部門を担うヤシマ物流株式会社、また中国における販売および中国製品の日本への輸出を担う亜西瑪(上海)貿易有限公司の2社の連結子会社から構成。グループ拠点として、日本全国を網羅する14拠点に加え、海外7拠点に展開している。また、同社グループの事業は、昭和23年の同社創業以来、70 年にわたって全国の鉄道事業者各社や、鉄道車両メーカー・鉄道車両用機器メーカーなどに対する多様な機器・部品・メンテナンスサービスを展開する鉄道専門商社としての鉄道事業と、それによって培われた仕入先との信頼関係を活かし、鉄道業界以外に主として電子部品等を展開する一般事業の2つのセグメントで構成されている。
 鉄道事業では、鉄道事業者各社および車輌・機器メーカーに多種多様な機器・部品を納入しており、納入した機器の保守・点検の管理まで行っている。また、鉄道車輌用部品だけでなく、駅・車輌整備工場・電力システム・信号システムなど、鉄道の運行に必要な設備の維持および向上に貢献する製品やサービスを取り扱い、鉄道関連分野において、幅広く事業を展開している。

 一般事業では、鉄道関連分野で培ったノウハウや製品ラインアップをもとに、主として電力用機器、産業機器、自動車業界等の製造企業向け、および通販事業者等の一般民間企業や鉄道製品以外の輸出案件取引先を販売先として、主にコネクタ・電子部品を取り扱い、新規商材開発と既存販売先の深耕および販路の開拓に注力している

 8月13日大引け後に発表した今2020年3月期第1四半期決算は、 売上高75億1600万円、営業損益3200万円の赤字、経常損益700万円の赤字、最終損益700万円の赤字に着地。鉄道事業では、電気用品、車体用品及び設備・システム品が牽引し、好調だったが、一般事業では、半導体業界や通信販売業者向けをはじめとして電子部品の受注が減少したことが響き営業赤字となった。

 今20年3月期業績予想は、売上高373億4200万円(前期比0.9%増)、営業利益5億1400万円(同19.6%減)、経常利益6億円(同20.7%減)、純利益4億円(同16.5%減)を見込む。高利益率の特需大型案件終了や海外子会社業績の影響等もあり減益になる見通し。年間配当は、期末一括25円を予定している。

 株価は、8月7日に上場来高値2375円と買われた後、同28日安値1750円と26.3%調整し、下値圏に届いたことから、値ごろ感が出ている。今期2ケタ減益予想だが、予想PER12倍台・PER0.58倍と割安感はあり、鉄道車両メーカーで売上高が世界で最大の中国中車への販売をはじめ、インド、ミャンマー、ベトナム、インドネシア、フィリピン、イギリスに拠点を持ち、グローバルに展開していることから中長期的な視点で注目度は高い。1800円割れで下値を固めるか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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