システムサポートは調整一巡、20年6月期も増収増益・増配予想

 システムサポート<4396>(東1)はデータベース関連・クラウド関連・ERP関連のソリューション事業を主力としている。8月5日付で東証マザーズから東証1部に市場変更した。19年6月期は大幅増収増益・増配だった。20年6月期も増収増益・増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■ソリューション事業など展開

 18年8月東証マザーズに新規上場、19年8月東証1部に市場変更した。データベース関連・クラウド関連・ERP関連サービスなどのソリューション事業を主力として、データセンターサービスやシステム保守・運用などのアウトソーシング事業、パッケージソフト開発・販売などのプロダクト事業も展開している。

 19年6月期のセグメント別(連結調整前)売上構成比は、ソリューション事業が82%、アウトソーシング事業が13%、プロダクト事業が4%、その他が1%、営業利益構成比はソリューション事業が73%、アウトソーシング事業が17%、プロダクト事業が9%、その他が1%だった。

 主力のソリューション事業は、Oracleデータベースの設計・構築・保守・運用などのデータベース関連サービス、AWSやAzureの基盤構築・導入・移行支援などのクラウド関連サービス、SAPの導入・保守・運用などのERP関連サービス、およびITシステム開発を展開している。

 収益力向上に向けてストック収益のプライベート型クラウドサービスを拡大するため、地震の少ない金沢市にデータセンターを設置し、プロダクト事業では自社開発の統合型基幹システム「役者」シリーズの拡販を推進している。また米国シリコンバレーに子会社を設立し、最先端のIT技術・サービスの発掘に努めている。

■データベース領域やクラウド領域での高い技術力が強み

 データベース領域やクラウド領域での高い技術力を強みとしている。

 データベース領域では、世界的に有力なOracleデータベースの技術者に対する最高峰の認定資格「ORACLE MASTER Platinum」保有者数が、国内累計3位、単年2位(18年8月時点)である。

 クラウド領域では、米アマゾン社のクラウドサービス「AWS」に関して、AWSコンピテンシープログラムでOracleコンピテンシーを取得している日本企業3社のうちの1社である。また米マイクロソフト社のクラウドサービス「Azure」に関して、Gold Cloud Platformパートナーに認定されている。

 15年にパートナー契約締結したエンタープライズ向けデジタルワークフローServiceNow導入支援や、自社プロダクトの拡販も推進している。

■20年6月期増収増益・増配予想

 19年6月期連結業績は、売上高が18年6月期比18.0%増の117億62百万円、営業利益が31.6%増の5億29百万円、経常利益が36.7%増の5億04百万円、純利益が57.9%増の3億45百万円だった。計画超の大幅増収増益だった。配当は年間3円(期末一括)で、19年4月1日付株式2分割を考慮して18年6月期の年間3円を年間1円50銭に遡及修正すると、18年6月期比1円50銭増配となる。配当性向は4.3%である。

 主力のソリューション事業(17.6%増収、13.5%増益)は、人材サービス業のWebサービス開発案件、物流業の基幹システム更新案件、クラウドサービス利用支援など受注が拡大した。アウトソーシング事業(13.7%増収、15.0%増益)は、AI関連サービスを含めたデータセンター業務が好調に推移した。プロダクト事業(46.7%増収、92.6%増益)は住宅業向け工場情報管理システム、小売業向けモバイル受発注システムなどが牽引した。

 20年6月期連結業績予想は、売上高が19年6月期比9.9%増の129億31百万円、営業利益が7.5%増の5億69百万円、経常利益が9.7%増の5億53百万円、純利益が1.8%増の3億51百万円としている。配当予想は3円増配の年間6円(期末一括)で、予想配当性向は8.6%となる。

 事業拡大に伴う事務所移転などで固定費が増加するが、クラウド基盤サービス市場の拡大を背景に、各事業が順調に推移して増収増益・増配予想である。19年6月期に比べて伸び率が鈍化する形だが、やや保守的だろう。引き続き収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価(19年4月1日付で株式2分割、19年8月1日付で東証マザーズから東証1部に市場変更)は、7月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。8月29日の終値は1580円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS69円80銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS392円75銭で算出)は約4.0倍、時価総額は約80億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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