ソーバルは調整一巡、20年2月期増益・連続増配予想で上振れ余地

 ソーバル<2186>(JQ)は、組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開し、自動車・AI・IoTなど新規技術分野の開拓を推進している。20年2月期増益・連続増配予想である。そして上振れ余地がありそうだ。株価は7月の年初来高値から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。なお9月30日に第2四半期決算発表を予定している。

■組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開

 組み込みソフト開発、ウェブ・スマホアプリ開発、ハードウェア設計・開発などのエンジニアリング事業を展開している。

 技術力と経験豊富な人材を合わせ持つ国内有数の独立系組み込みソフト開発企業である。顧客や分野の多様化、自動車・AI・IoTなど新規技術分野の開拓、プロジェクト管理体制の強化、人材の採用・教育、国内外の外部委託先(パートナー企業)との長期的なリレーション構築を強化している。

 19年2月期の主要顧客別売上構成比はキヤノングループ39.0%、ソニーグループ16.6%、富士通グループ8.4%、リクルートグループ2.9%、日立グループ2.9%、NTTグループ2.8%、その他27.4%だった。取引社数は18年2月期比3社増加の184社だった。優良な大口顧客と強固な信頼関係を構築していることが特徴である。また取引先数の増加に伴ってキヤノングループの構成比が低下し、1社依存体質からの脱却と収益の多角化も進展している。

 契約種別比率は請負53.9%、派遣46.1%(18年2月期は請負50.4%、派遣49.6%)だった。請負比率が上昇傾向であり、当面の目標を60%としている。

■20年2月期増益・連続増配予想で上振れ余地

 20年2月期の連結業績予想は、売上高が19年2月期比0.1%増の81億96百万円、営業利益が1.4%増の6億30百万円、経常利益が1.6%増の6億42百万円、純利益が10.1%増の4億60百万円としている。配当予想は3円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)で、予想配当性向は53.3%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.1%増の20億85百万円で、営業利益が17.3%増の1億93百万円、経常利益が16.3%増の1億92百万円、純利益が13.0%増の1億22百万円だった。売上高は微増にとどまったが、各利益は2桁増益だった。請負業務の拡大や最適な人員配置などで利益率が改善した。

 通期も請負業務の拡大、優良顧客からの継続受注、プロジェクト管理体制の継続強化、部門間のクロスセル体制推進、人材教育や最適人員配置による派遣業務の収益力強化、アライアンスも活用した新規分野における収益案件獲得などを推進する。そして第1四半期の営業利益進捗率は30.6%と順調だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株主優待制度は毎年8月末の株主対象

 株主優待制度は毎年8月31日現在1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。保有株式数に応じてQUOカードを贈呈する。

■株価は戻り歩調

 4月10日発表の自己株式取得(上限30万株・4億50百万円、取得期間19年4月11日~19年10月10日)は、8月9日時点で累計取得株式数30万株となって終了した。

 株価は7月の年初来高値から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。8月30日の終値は1131円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS56円32銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS395円05銭で算出)は約2.9倍、時価総額は約92億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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