【編集長の視点】イトーキは2Q業績続落着地も通期業績対比の高利益進捗率を再評価して反発

編集長の視点

 イトーキ<7972>(東1)は、前日5日に6円高の406円と反発して引けた。同社株は、今年8月8日に発表した今2019年12月期第2四半期(2019年1月~6月期、2Q)累計業績が2ケタ減益と続落して着地したことから下値を探ってきたが、400円が下値岩盤とのコンセンサスが形成されており、前日に日経平均株価が、436円高と大幅に続伸したことも加わり内需系の値ごろ妙味株として底値買いが再燃した。2Q累計業績自体も、今12月期通期業績に対して高利益進捗率を示して市場コンセンサスを上回り、12月通期業績も同様に市場コンセンサスをオーバーしていることも、買い手掛かりとなっている。

■「働き方改革」関連需要を「TOKYO XORK」で取り込み商談活発

 同社の今2019年12月期2Q業績は、売り上げが前年同期比5.1%増と続伸したが、営業利益が同12.3%減、経常利益が同16.4%減、純利益が同43.9%減と続落した。オフィス関連事業では、首都圏や都市部でオフィスビルの新築・移転などに伴う需要拡大やリニューアル需要が旺盛で、「働き方改革」のワーキングショールーム機能を持たせた新本社オフィス「TOKYO XORK」による商談創出や教育市場向けの4新製品など相次ぐ新製品の開発・販売が寄与して売り上げは続伸したが、利益は、本社オフィス移転による家賃負担増や新規事業の「Global Treehouse」の開始に伴う設備投資・人材採用費用が増加したことが伸び悩み要因となった。ただ、2Q累計業績の12月期通期業績に対する利益進捗率は、56%~64%と目安の50%を上回り、市場コンセンサスを上ぶれて着地した。

 今12月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ1230億円(前期比3.6%増)、営業利益31億円(同60.8%増)、経常利益30億円(同26.7%増)、純利益17億円(同1.5%減)と見込み、純利益は、前期計上の固定資産売却益が一巡して小幅減益転換するが、営業利益、経常利益はV字回復する。来年の「東京オリンピック・パラリンピック」を前にして官民上げての「テレワーク・デイズ2019」推進に伴う関連製品の需要増、官民共同研究による第5世代移動体通信システム(5G)活用のスマートオフィス実証実験への参加、さらに「Global Treehouse」でも、今年8月から会員企業拡大へのプロモーションと営業活動をスタートさせたことなどが寄与する。12月通期業績の水準自体も、利益が、市場コンセンサスを4億円~8億円上回る。

■400円台岩盤のコンセンサスが形成されPER10倍台、PBR0.3倍の割安修正へ

 株価は、今期2Q業績の連続減益が響いて404円安値へ下ぶれ、「東京オリンピック・パラリンピック」の1年前のテスト本番として実施された「テレワーク・デイズ2019」の関連人気で434円まで引き戻し、9月1日発動の米国の対中制裁関税を懸念した全般相場の調整とともに再び下値を探ったが、401円安値で踏み止まり、以来2週間、400円台が下値岩盤とのコンセンサスが形成された。投資採算的にもPERは10倍台、PBRは0.39倍、配当利回りは3.20%と市場平均以上に割り負けており、値ごろ妙味も意識され年初来高値638円を目指してリバウンド幅を拡大させよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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