第一精工は光インターコネクション用途向けに、高さ約2mmの超薄型コネクタ一体型アクティブ光モジュールを開発

新製品&新技術NOW

■マルチモードファイバによる300mの長距離伝送に成功

第一精工<6640>(東1)は、データセンターなどで用いられる光インターコネクション用途向けに、アイオーコア株式会社(本社:東京都文京区)のシリコンフォトニクスIC「光I/Oコア」を使用した、高さ約2mmの超薄型コネクタ一体型アクティブ光モジュール「I-PEX Embedded Optical Module (I-PEX EOM)」を開発、マルチモードファイバによる300mの長距離伝送に成功した。

 I-PEX EOMの小型・超薄型という特長を生かすことで、プロセッサに近い位置で光電変換を行うことが可能となり、これまでプロセッサから基板端までの電気配線で生じていた伝送損失を大幅に低減することができる。データ処理量の増大に伴って高まる高速伝送のニーズに応えるモジュールとして、活用が期待される。

 光通信は主に装置間伝送や長距離伝送において利用が進んでいる。一般的に機器の内部は電気配線で接続され、機器のインターフェース部で光に変換された後、機器の外部でファイバーケーブルに接続される。伝送データの増大と高速化が進むなか、機器内におけるプロセッサから基板端までの電気配線による伝送ロスがボトルネックとなりつつあることから、光電変換回路および部品をよりプロセッサに近い場所に配置し、機器の内部から光伝送を行えるソリューションが求められてきている。

 一方で、基板上は回路が密集するためスペースに厳しい制約があり、プロセッサの周辺には熱対策のための部材も存在することから、従来、光電変換はプロセッサから一定の距離を空ける必要があった。

 同社はこの度、これらの課題を解決するために、アイオーコアの超小型シリコンフォトニクスICである光I/Oコアを採用し、低背化のため光I/Oコアからマルチモードファイバを水平に引き出す接続技術を開発。これらを統合しケーブルプラグに組み込んだコネクタ一体型アクティブ光モジュール「I-PEX Embedded Optical Module (I-PEX EOM)」を試作し、光I/Oコアを用いた100Gbps(25Gbps X4ch)による300mの長距離伝送を達成した。

 I-PEX EOMは高さ約2mmの超薄型メカニカルロック付きプラグコネクタ形状であり、大型の放熱部材の下に配置することで、プロセッサにより近い場所で光電変換が行える。本モジュールには光I/Oコアを駆動するためのICも実装しており、使用される機器のシステムを複雑化させることなく、光電変換の回路を組み込むことが可能。

 同社では、今後このソリューションの製品化および量産に向けた開発を推進していく予定。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  2. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  3. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  4. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  5. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  6. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る