パイプドHDは上値試す、20年2月期大幅増益予想で2Q累計順調

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 パイプドHD<3919>(東1)は情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として、情報資産プラットフォーム事業や販促CRMソリューション事業などを展開している。20年2月期大幅増益予想である。第2四半期累計は大幅増益と順調だった。通期も収益拡大を期待したい。株価は急伸して高値を更新する展開だ。目先的には過熱感だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■情報資産プラットフォーム事業などを展開

 国内最大規模の情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として事業展開している。

 セグメント区分は、機能別事業群の情報資産プラットフォーム事業(スパイラルやBizBaseなどのクラウドサービス提供)、販促CRMソリューション事業(Webシステムの開発、ECサイトの構築・運営支援)、広告事業(インターネット広告代理販売)、および分野別事業群のxTech事業(ArchiTech:BIM事業、BeauTech:美歴、HRTech:オーダーメイド人材育成代行、FinTech:エルコイン)、社会イノベーション事業(政治山、I LOVE 下北沢、シモキタコインの運営)としている。

 19年2月期の売上構成比は情報資産プラットフォーム事業67.7%、販促CRMソリューション事業18.9%、広告事業8.9%、xTech事業3.0%、社会イノベーション事業1.5%だった。

 情報資産プラットフォーム事業は、契約数増加に伴って月額サービス収入が拡大するストック型の収益構造である。広告事業の売上高は、広告枠の仕入高を売上高から控除する純額表示(ネット表示)としている。

■中期経営計画のテーマは「リ・イノベーション」

 中期経営計画2020ではテーマに「リ・イノベーション」を掲げている。重点戦略として、リアルビジネスとの接点の強化、イノベーティブな事業への挑戦、グループ全体の採用・育成の強化、グループ各社の情報資産の有効活用を推進する。

 18年2月メディコムおよびトライベック・ストラテジーの2社と共同で製薬企業向けマーケティングオートメーションパッケージ「BtoD」を開発、O2Oアプリ「NEARLY」を提供するipoca社の第三者割当増資を引き受けた。

 18年3月には、電子地域通貨プラットフォームを提供するエルコインの子会社としてシモキタコインを設立した。エルコインの電子地域通貨プラットフォーム発行事業者第1号として、下北沢で行われるイベントや商業施設等で利用される電子地域通貨を発行する。

 19年5月には政治・選挙情報サイト「政治山」を運営するVOTE FORと、自治体向けオープンデータ化・活用サービス「マイ広報紙」を展開するパブリカが合併(存続会社VOTE FOR)した。営業強化や共通コスト削減などで収益性向上を推進する。

■20年2月期大幅増益予想で2Q累計大幅増益

 20年2月期連結業績予想は、売上高が19年2月期比19.9%増の65億円、営業利益が2.0倍の12億円、経常利益が2.0倍の11億90百万円、そして純利益が5.0倍の7億円としている。配当予想は9円増配の年間21円(第2四半期末9円、期末12円)で、予想配当性向は22.8%となる。

 情報資産プラットフォーム事業におけるスパイラルの拡販、販促CRMソリューション事業におけるデジタルCRMの伸長、広告事業における動画広告拡大など全セグメントで増収を見込み、増収効果で人件費増加などを吸収する。純利益は減損損失一巡も寄与する。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比14.0%増の29億89百万円、営業利益が3.1倍の5億45百万円、経常利益が3.2倍の5億51百万円、そして純利益が4.6倍の3億46百万円だった。

 主力の情報資産プラットフォーム事業が13.9%増収、29.4営業増益と好調に推移し、広告事業が75.1%増収、3.7倍営業増益と大幅伸長した。販促CRMソリューション事業は9.9%減収と低調だったが営業黒字化した。xTech事業は15.6%増収だが営業赤字が残った。社会イノベーション事業は3.1%増収だが赤字が残った。

 第2四半期累計の進捗率は売上高46.0%、営業利益45.5%である。利益は期初時点で下期偏重の計画であり、通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して高値を更新する展開だ。目先的には過熱感だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月9日の終値は1866円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS92円04銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS316円66銭で算出)は約5.9倍、時価総額は約152億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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