ネオジャパンは下値切り上げ、20年1月期増収増益予想

 ネオジャパン<3921>(東1)は自社開発グループウェアのクラウドサービスを主力としている。20年1月期増収増益・連続増配予想である。収益拡大を期待したい。なお20年1月期第3四半期から連結決算に移行予定である。株価は小幅レンジでのモミ合い展開だが、徐々に下値を切り上げている。調整一巡して上放れを期待したい。

■自社開発グループウェアのクラウドサービスが主力

 ビジネス・ITコミュニケーション・ツール開発企業である。グループウェア「desknet‘s NEO」のクラウドサービス(月額課金収入)を主力として、大企業向けを中心としたプロダクト販売(パッケージソフト販売のライセンス収入およびサポートサービス収入)も展開している。

 自社開発グループウェア「desknet‘s NEO」は、ローカライゼーション(日本語、日本の商習慣やビジネス習慣など)に対応した25の基本機能を備え、競合他社との比較で多機能・使いやすさ・高品質・低価格を強みとしている。

 シリーズ累計利用ユーザー数は約390万人(19年1月現在、クラウド24万人超、プロダクト350万人超、ASP事業者向け15万人超)となっている。業種・業態・規模を問わず、あらゆる企業・官公庁・自治体に採用されている。中長期的には累計利用ユーザー数1000万人を目指すとしている。

 19年7月には、アイティクラウド運営のIT製品レビュープラットフォーム「ITreview」において、グループウェア部門とワークフロー部門でアワードを受賞した。19年8月には、日経コンピュータ顧客満足度調査2019-2020グループウェア/ビジネスチャット部門で、5年連続1位を獲得した。

■周辺製品ラインアップ拡充を推進

 中期成長戦略として、グループウェア「desknet‘s NEO」を核とする機能・オプションサービス拡充や周辺製品ラインアップ拡充、リアルタイム・コミュニケーション分野への展開、シナジーが見込める外部サービスとのシステム連携・アライアンスなどを推進し、ユーザー側で業務アプリを簡単に作成できるカスタムメイド型業務アプリ作成ツール「AppSuite」や、メールに代わる新しいコミュニケーション・ツールとしてのビジネスチャット「ChatLuck」の提供も開始している。19年8月にはシステムインテグレーションのPro―SPIREを子会社化した。

 海外は東南アジアのグループウェア市場への本格展開を計画している。マレーシアを手始めに、現地語対応や現地のビジネス習慣に対応した製品の開発を進めている。またグローバルマーケティングとグローバルアライアンスを推進するため、19年6月米国に子会社DELCUIを設立した。

■ストック売上の積み上げで高収益構造

 19年1月期の売上構成比はクラウドサービス56%、プロダクト40%、技術開発(インターネット・イントラネット関連業務アプリの受託開発)4%だった。

 ストック売上(クラウドサービス、およびサポートサービス)比率は19年1月期に77%まで上昇した。ストック売上の積み上げにより、高収益構造である。売上高営業利益率および売上高経常利益率は20%前後で推移している。

■20年1月期増収増益・連続増配予想

 20年1月期の非連結業績予想は、売上高が19年1月期比10.4%増の29億39百万円、営業利益が6.2%増の5億61百万円、経常利益が5.2%増の5億76百万円、純利益が4.7%増の4億円としている。利用ユーザー数を積み上げて増収増益予想である。配当予想は50銭増配の年間6円50銭(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は24.1%となる。

 事業別の売上高計画はクラウドサービスが12.2%増の16億79百万円、プロダクトが11.7%増の11億78百万円、技術開発が25.6%減の81百万円としている。グループウェア「desknet‘s NEO」の拡販、クロスセル効果による業務アプリ作成ツール「AppSuite」やビジネスチャット「ChatLuck」の売上増も見込んでいる。大型案件の受注も見込んでいる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比18.1%増の15億54百万円、営業利益が12.3%増の3億45百万円、経常利益が11.6%増の3億54百万円、純利益が14.3%増の2億42百万円だった。主力のクラウドサービスが16.0%増収、プロダクトが27.2%増収と大幅伸長し、増収効果で人件費増加などを吸収した。技術開発は25.6%減収だった。クラウドユーザー数は19年7月末時点で27万人超となった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高52.9%、営業利益61.5%と順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

 なお19年8月にPro―SPIREを子会社化したことに伴い、20年1月期第3四半期から連結決算に移行(第3四半期は貸借対照表のみ連結、損益計算書は第4四半期から連結)予定である。連結業績予想は別途公表予定としている。

■株主優待は1月末と7月末の年2回

 株主優待は年2回、1月末と7月末の株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している。

■株価は下値切り上げ

 株価は小幅レンジでのモミ合い展開だが、徐々に下値を切り上げている。調整一巡して上放れを期待したい。10月23日の終値は991円、今期予想PER(会社予想のEPS27円02銭で算出)は約37倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円50銭で算出)は約0.7%、前期実績PBR(前期実績のBPS231円48銭で算出)は約4.3倍、時価総額は約147億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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