セルシードの新株予約権が発行から2ヵ月で約3割が行使される

■「第18回新株予約権」、株価に対する需給の「ゆるみ」後退へ

セルシード<7776>(JQG)は10月23日の夕方、新株予約権の大量行使を発表し、2019年9月2日に発行した第18回新株予約権の10月月間で権利行使された予約件数(10月1日から10月23日まで)が3815個(発行総数2万8000個に対する割合は13.62%)になったとした。

■今は上値重いが行使進むにつれ値動き軽快になる可能性

 この結果、現時点における未行使の新株予約権数は1万9861個になり、発行から2ヵ月で発行総数のほぼ30%が行使済みになった。24日の株価は前場496円(9円高)まで上げ、後場は486円(1円安)前後で推移している。

■行使状況の発表が待たれる展開を予想

 新株予約権は、権利行使が進まないまま残存個数が多い間は、将来的な新株の発行増加による株式需給の「ゆるみ」が意識され、株価にとって重荷の要因になることが少なくない。

 このためか、セルシードの株価は10月23日、「iPS細胞で心臓病の治療治験申請へ、阪大の研究グループ」(NHKニュースWEB2019年10月23日4時48分)と伝えられたことが材料視され、朝方は8.9%高の515円(42円高)まで上げた。しかし、その後は値動きが重く次第にダレ模様になり、終値は487円(14円高)だった。

 ただ、見方を変えれば、このように動意づく場面では新株予約権の行使が着実に進んでいる可能性がある。市場関係者の中には、こうした局面を「行使促進相場」と呼んで注目する向きもある。行使が進むにつれ、次第に値動きの重さは後退することになり、軽快な相場になるとみられている。こうした意味で、今後、行使状況が発表になるたびに株価が強含む展開がみられる可能性がありそうだ。(HC)

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